イケメン過ぎて逆にモテねぇ！【Alan.S】２

#63 ページ16

亜嵐side



「無理には、聞きたくない。」

「話したくなったらでいいから、とりあえず落ち着こう？」




本当に、何があったんだ

さっきから、ぴんと張っていた糸がプツンと切れたように泣き出した結渚をなだめるのが精いっぱいだった



『あのさ…、きいてっも…怒らないい？』

「この俺が怒ることしたの？」

『多分、した…』

「浮気以外なら何でも許すから、この亜嵐くんに言ってみな」

『ほんとに…絶対っ怒らないでね』

「こんな泣いてる彼女の前でそんなひどいことすると思う？」

『思うから言ってんだよ…バカぁ！！』

「あーごめんごめん、もう泣かない、ほら笑」



仕事でなんかあったのか？見たことないくらいワンワン子供みたいに泣くから、
とりあえず肩貸すくらいしかできない自分に腹立つ




『実はね…、』




そこから、落ち着いたのか、結渚は昨日の出来事を詰まりながらも話してくれた


それは、俺が想像していた悩みかなんかを大いに上回って、
最後の方なんか、もう跡形つくんじゃないかってくらい強く拳握ってた



『というわけで、今、です』

『ほんとに、ごめん…気をつけろって言われてたのに』


しばらく何も反応しなかった俺を見て、
結渚は俺が怒っていると勘違いしたのか、また泣きそうに眉を下げる


「結渚、顔、あげて？」

『怒ってますか…』

「怒ってるか怒ってないかで言えば怒ってる」

『あぁ…やっぱり、こんな女いらないよね…』

「んーん、結渚にじゃなくて、アイツにね」

『やっぱり私なんｔ……え、？』

「なんで結渚を怒るんだよ、悪いのは全部アイツだろ？」

『いや、でも、亜嵐くんの忠告？聞けなかったの私だし』

「あのなぁ…、お前に今怒ることがあるとしたら、それは人柄の良さだわ」

『人柄？』

「無理なら無理ってちゃんと言う！それが無理なら急所ければいい！分かった？」




今回ばかりは、悪いのは100パー結渚の上司だけど、
次、会社でこんなことあったら俺もう黙ってられないかも

もしかしたら、会社乗り込んじゃいそうな自分がいて怖い…



『待って、そんな蹴るとか怖いこと言わないでよ』

「もう、なんなら護身術習ってくれた方が助かる。」

『それ、自分が練習相手になるって分かってて言ってるんだよね？』

「…え？」

『は？』

「いや、俺じゃないよ？」

『じゃあ誰よ』

「こもりはやと」

『…それだ』





いつも通り接してるけど、
聞いたときは死ぬほど怒り狂ったって言う裏話ね

こんなこと言うと、また亜嵐くん怖いとか言われるから絶対言わないけど





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