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裕翔サイド
「…な、な、何言ってるんですか?からかうのもいい加減にしてくださいっ!別に犯罪を犯したわけでもないのに!!」
涼「ふーん、じゃあ明日その格好でこいよ?」
「…っ。」
涼「口止め料払いたくないんだろ?だったらバラしてもいいだろ?」
「なんで…ただ隠してたいだけなのにそんなこと…」
涼「…ふっ。見られたやつが悪かったっていうだけだよ。運の悪さだな。他の人だったらこんなことにはならなかったかもしれないのにな。そもそもその格好で帰ってきた自分を恨むんだな。」
最悪だ。…てか夜中だというのに何してんだろ。
山田くんの言う通り、なんでこんな格好で帰ってきたんだよ、自分!
涼「………明日、あのダサい格好できたら口止め料のこと了承したと受け取るから。それが嫌だったら、今の格好でくることだな。…じゃあな」
それだけ言って山田くんは行ってしまった。
なんだよ。俺は…俺はどうしたらいい?
別に今の格好でもいいはずなのに。
逆にその方が笑われなくて済むのに。
普通の人からとったら何でもない、良い交換条件なのに。
なのに俺は…バレたくないと思っている。どうしてかなんて自分にも分からない。かといって、山田くんに口止め料なんて払いたくない。
俺は部屋に帰ってからもずっと悩んでいた。
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涼介サイド
俺も自分で言って驚いている。
今まで1度も自分から誘ったことなんてないのに、あんなの自分から誘ったようなもんじゃねぇか。
たかが、偽りの格好をしてただけなのになんで俺もそんなにムキになってるのかも分からない。あいつの言う通り、他には迷惑かけてないのに・・・
俺自身も理由はわからない。
ただ、あいつがこの日常にスパイスをくれるような…感じがしただけ。
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作者名:みさ | 作成日時:2020年8月24日 22時