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裕翔サイド

「…離してくださいっ」

涼「嫌だね。……なんでそんなに誰にも言ってほしくないのか知んねぇけど、"言わないでくださいね"って言われてタダで了承すると思うか?言われたくないんならそれなりの口止め料が必要でしょ?」

「…え?」

口止め料?……なに?

涼「だいたい、隠したいのにみんながいる寮にそんな格好で帰ってきた方がバカでしょ。」

・・っ。それはごもっともだ。

「・・・・・」

涼「…黙っちゃった?(笑)」

このバカにしたような笑い。…ムカつく。だいたい、口止め料とか言う前に、あのダサい格好の時に取り巻きやあなたがみんなに聞こえるような声で俺のこと罵ったでしょ。まずそこ謝れよ。

あまりにも腹が立ったので、山田涼介…山田くんを睨んだ。

涼「なに?…何か言いたそうだな」

「……た…俺の……だろ………ってよ」

涼「え?聞こえないんだけど」

「…だいたい!そんなこと言う前に俺のこと罵ったこと謝ったらどう?顔がいいからって調子乗りすぎでしょ。……それに俺は別にみんなに迷惑かけて……あ、いや……」

俺は思わず思っていたことを言ってしまった。まだ会って2日しかたってない人に。更に続けて言おうと思ったが、山田くんを見るとものすごく顔が恐ろしくて思わず怖気付いてしまい言うのをやめた。

「あ…ごめん…なさい。言い過ぎ…ました」

涼「あんだけ言っといて今更言いすぎた?…続きいえば?」

「…だ、大丈夫です。」

何が大丈夫なんだよ、俺。てか俺なんも悪くないだろ?事実を言っただけだし…。
だけど、これ以上言うのは危険だ。俺でもわかる。

涼「…まあどうでもいいけど。何してくれる?」

「何が…?」

涼「何がって口止め料として…?」

「…そんなの無理です。お金なんてないので!」

涼「…別に口止め料はお金だけじゃねぇだろ?」

は?…

「……何がいいたいんですか?」

山田くんは俺の腕を引っ張って耳元で呟いた。

涼「…自分の身体とかあるだろ?」

「なっ!!!」

俺は勢いで山田くんが掴んでる腕を振り払って後ずさった。

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作者名:みさ | 作成日時:2020年8月24日 22時

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