罪-crime- (ページ8)

今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:29,880 hit

7 ページ8

涼介サイド

朝の点呼とランニングが終わり、今は少しの休憩。

俺は主任だから一応自分の部屋をもらっている。他の奴らは気をつかっているのに大貴は平気で俺の部屋に入ってくる。

ガチャ
ほらね。

大「山田ー。」

「…お前ノックくらいしろよ。俺一応上司なんだけど。」

大「いいじゃん、いいじゃん！…てかさ、お前から新人に話しかけるの珍しいな？」

「あ"？…あぁ。なんとなくな。まだここの地獄を知らないっていう顔してたし。」

大「ふ～ん。まあここを地獄にしてるのお前だけどな(笑)」

「うっせぇな～。」

大「あっ、やべ！もうすぐ刑務作業始まる。今日担当だったんだ。」

「誰と？」

大「ん？伊野尾ちゃん」

「伊野尾ちゃんね。…あの人こそ何を考えてるのか分かんねぇけどな。」

大「まあ、確かに。でも意外と怒ると怖いよな」

「笑顔で言ったりするからな。……てか、お前行かなくていいの？」

大「あっ！やばい！山田が話しかけるから。…じゃあな！」

バタン

…なんだあいつ。ほんとに面白いやつ。
でも受刑者達も鬼看守と言われている俺達が裏ではこんなんだったら、ビックリするよな。

…よし、書類を終わらせるか。

まさか、この先あの新人によってこの刑務所がいろいろあるなんてこの時は思いもしなかった。