罪-crime- (ページ48)

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裕翔サイド

ギュッ
山田主任が俺を抱きしめた。

涼「最後に抱きしめさせて？……」

「山田主任…(ぐすん)」
俺も静かに山田主任の背中に腕をまわした。
そしてなぜか涙が止まらなかった。

涼「裕翔…泣くなよ。」

「だ、だって……。やっぱり寂しくて」

チュッ

「！！！！」

涼「裕翔…好きだよ？」
そう言うと山田主任はまた俺にキスをした。
そして今度は深く。

「んっ……んん……はぁ…ふっ…んん…はぁ…はぁ」

やっと唇を離してくれた。

涼「…お前が出る時には絶対迎えに行くから。そん時は涼介って呼んでな。それまで頑張ってな。」

「…うん。」

涼「……そろそろ行くか。」

「…うん。」

俺は俯いたまま、立ち上がった。

涼「何暗い顔してんだよ。」

やっぱり寂しいよ。山田主任に会うためにここにいるわけではないし、俺が殺してしまった家族の罪を償う為にここにいるけど……だけど！

涼「…しゃーねぇな。…ほら！手繋ごう」

「え？」

涼「もうバレちゃったし？俺ここの人間じゃなくなったし？最後くらいは堂々とね！」

「…うん！」

俺はそっと山田主任の手を握った。

山田主任？守ってくれてありがとう！
俺しっかりと罪償うから待っててね。

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侑李サイド

部屋に帰ったけどみんな無言だ。無言というか言葉が出てこない。

「……裕翔と山田主任って付き合ってたんだね」

圭「びっくりだよね。…でも不思議と軽蔑感とかはないな～」

雄也・光「俺も」

雄「それに山田主任が…あの山田財閥の息子だったなんてな」

光「ほんとに、それな！」

「今日いろいろありすぎて一生分驚いたよ！」

みんなそれに頷いた。

「でも…山田主任いなくなるんだよね」

雄「そうだな…。怖い人だったけど、しっかり筋は通ってたもんな。」

「うんうん。」

圭「裕翔、大丈夫かな」

光「どうだろうな……」

ガチャ

？？…………！！！

なんと山田主任と裕翔が手を繋いで部屋に入ってきた。

涼「お前らもごめんな。迷惑かけて。……裕翔を頼むな。」

山田主任…すると雄也が…

雄「点呼！！」

！！雄也？？………そういうことね。

「1」

圭「2」

裕「3」

光「4」

雄「5…全員揃ってます。……山田主任お疲れ様でした。そして迷惑をたくさんかけてすみませんでした。」

涼「…お前ら……ありがとう……じゃあな」

山田主任は目に涙を溜めて、部屋を出ていった。