罪-crime- (ページ43)

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裕翔サイド

あれから特に何もなく1年が経過した。
俺は後15年だ。先はまだまだ長い。

山田主任とはあれから正式に付き合うことになった。多分これが恋なんだろうなと気付き、俺から山田主任に言った。そしたら改めて告白してくれたんだ。

まあ付き合うといっても以前と変わらない。なんせ刑務所の中でしか会えないし、みんなには言えないからね。当然、有岡看守以外は知らない。

俺が殺さなければ堂々と付き合えるのにとも思うけど、ここにこなければ山田主任と会うこともなかっただろうし。まあ犯罪者が恋するのもどうかと思うけど(苦笑)

でもね、刑務所の中の雰囲気は変わったよ。あれから理不尽なことでの罰は少なくなった。だからか受刑者が問題を起こすことも減ったらしい。これが本当の在り方だったんだと山田主任は言っていた。

まあ中には俺達に暴力をすることでストレス発散してた看守はいたわけで、そんな人達はこのやり方に不満を持ってるらしいけどね。

そんなある日のこと・・・・

今日は自由時間の日。俺はいつものメンバーで身体を動かして遊んでる。けど今日はやけに看守長達がそわそわしている。

「ねえ、知念？」

侑「ん？なに？」

「今日なんか看守達落ち着きなくない？」

侑「あー、確かに何でだろ？」

雄「お前らは知らないのか！」

圭「俺も知らない～」

裕・侑「？？」

雄「1年に1回、理事長みたいなやつが視察にくるんだよ！」

裕・侑・圭「理事長？？」

光「そうそう。薮看守長よりも上の人！なんかめっちゃ怖そうというか感じの悪いやつ。なんならここのあの罰制度作ったのそいつらしいし？」

侑「だからあんなにそわそわしてんのね。」

雄「あぁ。でも今年は少しやばいかもな」

圭「なんで？」

雄「ほら、罰制度作ったやつだぜ？でも今それが緩いというか理不尽なことではしなくなったろ？それを見て怒るんじゃねえかな？」

「でもいいことじゃん？」

光「そうなんだけど、そもそもこんな理不尽なことで罰を与えられるようになったのもそいつがここに視察にきて、そうしろと言ったらしいからな。」

侑「最低なやつ。…でも確かに、自分の言った要求が緩くなってるのを見たらそういう奴こそ怒り狂いそう(笑)」

雄「そうならない為に今日は前の看守達に戻るかもな。」

圭「偽装工作的なね」

てことは今日は厳しくなるという事ね。それもそれで嫌だけど。まあその最低なやつが怒り狂わない為にもしょうがないか。

ちゃんとすればいい話だしね