smile4 (ページ20)

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裕翔サイド

伊野ちゃんが出ていってから数分後、
再び伊野ちゃんが帰ってきた。

俺を見張るためだろう。

裕「涼介に伝えたの？」

慧「……薮が伝えてくれてる」

裕「そう。」

さてと、そろそろ行こうかな。

慧「………どこに行くの？」

裕「自分の部屋に戻る。
治療しないのにここにいてもしょうがないでしょ？」

慧「ちょっと裕翔！」

ガチャ

涼「裕翔！！」

1歩遅かったか…。

裕「今までお世話になりました。
わがままな俺から開放されるから
涼介もこれで楽になるんじゃない？」

涼「何、勝手に決めてるの？
治療しないと本当に取り返しのつかない
ことになる可能性だってあるんだよ？」

裕「……………別にいいよ。もう。」

涼慧「！！！！」

慧「自分の言ってる意味わかる？」

裕「わかるよ…。
伊野ちゃんには言ったけど、
もう疲れたんだよね、俺…。」

慧「裕翔……」

裕「走るのもダメ。一人暮らしもダメ。
他の皆が熱出た時や何かあった時も、
俺だけ近づくな、家で留守番しとけ。
他にもいろいろ制限あって頑張ってんのに
一向によくならなくて、しまいにはこの有様！」

涼「・・・・・・・」

慧「裕翔！…涼介の気持ちも考えてあげて！
涼介だって必死に裕翔と向き合って頑張ってるじゃん」

裕「わかってるよ！！………わかってる。
涼介が俺の為にしてくれてるのは
分かってるし本当に感謝してる。
でももう俺はやる気がないの…。

それに今まで頑張ってきてくれたからこそ
俺の治療から解放してもらいたいと思うんだ。」

涼「！！！…裕翔……」

裕「だからもう別に取り返しが
つかなくなってもいいと思っt パチン…っ」

慧「涼介」

涼介が俺の頬を叩いたのだ。