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圭人サイド
どこに向かうわけでもなく、ただひたすら走った。
圭「……はぁっ……はぁ…はぁ……ここ……」
走るのにも限界がきた頃、着いた先は知らない公園。
……まあいいや。携帯があれば帰れるし。
とりあえずベンチに座って休もう。
.
.
.
そしてベンチに座って考えるのはもちろんさっきのこと。
彼女が人を騙すなんてありえない。
でももしそれが本当だったら…
いやいやいや、そんなことする子じゃない。
てかそもそも誰かと間違えてるんだよ。
うん！そうだよ、きっと！
自分の中でそう言い聞かせる。
圭「…………はぁー、これからどうしようかな」
今、家に帰るのもなー。
かといって今から彼女の家に行くのは迷惑だし…
なんなら少し気まずいし…
宏「…はぁっ……いた………圭人！」
圭「！！…………宏太くん」
振り向くと息を切らした宏太くんが立っていた。
宏「…はぁっはぁっ……逃げるの早すぎ！探したよ」
圭「ど、どうしてここが…？」
宏「必死に探しまくったからだよ！」
圭「探さなくてもよかったのに」
宏「そんな寂しいこと言うなよ…。」
圭「・・・・・・・」
黙っていると宏太くんが隣に座ってきた。
宏「……圭人の彼女を想う気持ちは真っ直ぐなものだって分かるし、そんな彼女を信じたい気持ちも分かる。それに大好きな彼女のことを悪く言われたら怒るのも分かるよ。」
圭「だったら！」
宏「でもね？圭人が彼女のこと大切に想ってると同じように俺達は圭人のことを大切に想ってるんだ。そんな大切な人が騙されてるかもしれないって思うと俺達もいてもたってもいられなくなるの。」
圭「……っ」
宏「だって大切な人の悲しい顔なんて見たくないじゃん？」
！！！
圭「宏太くん……」
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作者名：みさ | 作成日時：2023年10月31日 22時
