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涼介サイド
薮ちゃんに電話して全て話すと想像していた答えと全く違うものが返ってきたので驚いたが、薮ちゃんの言葉にめちゃくちゃ救われた。
そっか…俺、1人じゃないんだ。
電話では考えてみると言ったものの、
元々迷っていた俺は薮ちゃんの言葉に決意を固めた。
決まれば早速行動だ。
俺は裕翔の病室へと向かった。
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.
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扉を開けると案の定裕翔は寝ていた。
寝ている裕翔を起こすのは少し気が引けるが…
ごめんよ。
涼「…裕翔………裕翔……」
裕「……んー……っ…………りょ……すけ?」
涼「寝てるのに起こしてごめんな。…家に帰ろっか。」
裕「え?!……急にどうしたの?」
俺が発した言葉に裕翔は目を見開く。
そりゃそうか。
急に起こされて家に帰ろうだなんて言われたらね。
俺はまだ理解できてない裕翔に事情を話した。
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涼「勝手に決めてごめん。でもこうするしか…裕「遅いよ」……え?」
裕「涼介がこの病院で働きたいのに、俺のわがままで辞めさせられるんだったら我慢した方がいいと思ってた。でもそうじゃないんだったら、俺も我慢しない。
俺は……俺は涼介が主治医がいい!」
!!!
涼「ゆうと………ありがとう」
裕「帰ろう?」
涼「うん。体調は大丈夫か?」
裕「大丈夫だよ。」
涼「上着着てて。……俺は準備するから」
俺がやろうとしてることは決して
許されることではないのはわかっている。
でもこうするしかないんだ。
そして俺は準備をしながら
もう一度、薮ちゃんに電話をかけた。
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作者名:みさ | 作成日時:2022年10月4日 23時