きみと (ページ45)

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裕翔サイド

侑「……涼介？」

振り向くと知念くんが立っていた。

涼「侑李！…あれ？……実家から帰ってきたの？明日帰ってくるんじゃなかったっけ？」

侑「家にいてもつまんないし、皆といた方が楽しいから1日早く帰ってきちゃった！笑」

涼「そうなんだ！……おかえり^^」

侑「ただいま！……ってゆうてぃ？！」

裕「久しぶり！」

侑「ずいぶん長く実家に帰ってたんだね！」

あー、そっか。
あの時やまといろいろあって
俺は実家に帰ってることになってたな〜。

やまと大ちゃんを見ると
少し気まずそうな表情を見せた。

まあ、今更だけど隠すことでもないしね…。

裕「知念くんごめんね。別に騙してたわけじゃないんだけど…実は俺、実家に帰ってたわけじゃないんだ。」

侑「え？」

涼「裕翔…」

裕「俺ね、喘息持ちでこの3週間入院してたんだ。」

侑「！！！！」

知念くんは目を見開き、驚きの表情を見せた。

そりゃそうだ。
実家に帰ってるものだと思ってたら、
実は入院してた…だなんて言われたら
誰だってそんな顔をするだろう。

裕「さっきも言ったけど、本当に騙すつもりはなくて。ただ、言うタイミングがなかっただけなんだ。ごめんね」

侑「そっか。でも大ちゃん。……なんであの時、実家に帰ってるなんて言ったの？隠す必要ないならその時言ってくれてもよかったよね…？」

裕「あれは俺がお願いしたの。……あの時、少しやまといろいろあってね。だから心配かけたくなかったから嘘ついたの。だから、あの時は"知念くんに"というよりはやまがいたから嘘ついたって感じ…かな。」

知念くんに嫉妬して…なんて本人の前で言えない。
でも嘘ついた理由は本当。

侑「……なるほどね。その涼介とは仲直りできたの？」

裕「うん、なんとか…ね(苦笑)」

そう言ってやまを見ると、やまも同じく困ったように笑ってこっちを見ていた。

侑「そっか。……体調は大丈夫なの？」

裕「うん！」

侑「それはよかった！」

知念くんは怒ることもせず、
俺の体調を心配してくれた。

最後にもう一度謝ると"気にしてないよ"と言ってくれた。
そして知念くんを交えて退院祝いをすることになった。