きみと (ページ38)

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涼介サイド

大「……まだICUだよな。」

涼「……うん。昨日の今日だし。」

大「行ってみよう」

涼「うん」

慧「有岡くんと山田くんじゃん。」

ICUに向かおうとしたら伊野尾先生に声を掛けられた。

大涼「「おはようございます。」」

慧「おはよう」

大「あの！裕翔に会いたくて…」

大ちゃんがそう言うと伊野尾先生の表情が変わった。

慧「…………今は会えないんだ。」

大涼「「！！！！」」

会えない？？

涼「なんで……」

慧「実は山田くん達が帰った後、急変してね。発作も中々止まらないし熱もさらに高くなってね。……今は落ち着いてるけど、昨日よりも更に油断を許さない状態なんだ。

だから今は会えないんだ。……ごめんね」

大涼「「・・・っ・・・」」

涼「……大丈夫ですよね？……裕翔、大丈夫ですよね？」

大「山田…落ち着いて」

俺はたまらず伊野尾先生に詰め寄った。

慧「………今はなんとも」

涼「っ……なんで？大丈夫って…大丈夫って言ってよ！」

慧「・・・・・っ」

俺は思わずその場に崩れ落ちてしまった。

大「・・っ・・やまだ」

喘息を舐めてたわけではないけど・・見くびっていた。

もう裕翔と会えないんじゃないかって思ったら涙が止まらない。この間まで裕翔のことほったらかしにしてたくせにな…。

大「………今日は帰ろう」

そう言って大ちゃんは俺の肩に手を置いた。

涼「……いやっ。帰らない。……伊野尾先生、会えなくてもいいからここにいさせて下さい。」

大「！！！！」

慧「え？……別に俺は構わないけどいいの？会えないんだよ？」

涼「大丈夫です。……今寮に戻っても気になって何も手につかないと思うので。……お願いします。」

慧「………わかった。待合室に案内するね。」

涼「ありがとうございます。

大ちゃん着いてきてくれてありがとう。俺はここに残るよ。会えなくても裕翔の傍にいたいんだ。今更だけど。」

大「………わかった。俺は一旦帰るよ。もし何かあったら連絡してな。」

涼「うん。」

大ちゃんはそのまま帰っていき、
俺は伊野尾先生と一緒に待合室に向かった。