きみと (ページ4)

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裕翔サイド

あれから大ちゃんも一緒に朝食を食べ、クラスが違うやまと別れて教室に向かっていると急に大ちゃんが"そういえば"と話し出した。

裕「どうしたの？」

大「今日、転校生が来るらしいぞ！」

裕「え？この時期に？…しかも高２から？」

エスカレーター式の学校で高２からというのは珍しい。
しかも6月から転入なんて…

大「なんか本当は春からだったらしいんだけど、体が弱くて入退院を繰り返してたんだって。それでこんな時期にって聞いたけどな〜。」

俺と同じだ…。

それにしても…

裕「よくそんなことまで知ってるね〜」

大「まあな〜。俺情報通だから！！」

本当に大ちゃんの情報網にはびっくりする。

裕「俺らのクラス？」

大「いや、山田のクラスって聞いたよ！」

裕「そっか〜、仲良くなれるかな」

大「なれるよ。…だから後で山田のクラス押しかけようぜ！！」

押しかけるって…(笑)

裕「そうだね！」

そんな話をしていると後ろから声がした。

宏「お前ら…転校生の話をしてるとこ悪いが、早く教室いかないと遅刻するぞ。」

薮宏太。俺らの担任で英語担当。
背も高くてイケメンでいつも親身になって俺らの悩みとかか聞いてくれるので信頼もあつく人気者だ。

裕「嘘っ！！……ほんとだ！大ちゃん、走るよ」

話に夢中になって気付かなかった。
やばい。遅刻だけは避けたい。

大「え？お前大丈夫か？」

裕「大丈夫、大丈夫！」

ちょっとくらい走ることにはなんも支障はない。
そう思い走り出そうとしたら…

宏「裕翔、急ぐのは当たり前だけど、ほとほどにな！」

なんて後ろから聞こえてきた。

裕「わかってる！ありがとー！」

と返して結局早歩きで教室に向かった。