９つの零れた涙 (ページ7)

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ab side.

朝食を食べた後、
無理やりコーヒーを飲んで目を覚まさせた。

..どれくらいちゃんと寝てないんだっけ。

ふとそんなことを思うけど、

別にどうでもいいか、そんなこと。

..頭が、ボーッとする。
だけどはやく、続きを書かないと。

自室に戻ると即座に椅子に座る。
顔を軽く何度も叩いてて気合いを入れた。

鉛筆を手に持って、原稿用紙に文字を書いて..

けれどすぐに、

「だめ、だ。思い付かない..」

何も浮かばずに手を止めて、
もう何度目か分からないため息をついた。

原稿用紙には何度も何度も書いて、
その度に何度も消した跡。

カレンダーで日付を確認し、
締め切りか近いことを改めて再確認して

また焦燥感に駆られて、
自分にまた苛立ちを覚える。

いっそ投げ出してしまいたい。

そんな思考に、さらに自己嫌悪になった。

無情にも時間は止まってくれない。

うるさい、時計がうるさい。

時計の針の音にすら、過敏になるなんて。

そしてまた、

治ってきたばかりの傷跡を、
無意識に軽く爪で引っ掻いていた。

ズキッとこめかみ辺りが痛み、顔が歪む。

指先で痛む場所を擦りながら、
もう片方の手で引き出しから頭痛薬を取り出し
コップを掴んで、水と頭痛薬を飲んだ。

もう残りわずかの頭痛薬の箱を見ながら、
多少は体を休めた方が良いことは
俺自身、本当は分かってる。

わかってる、けど..

少しでも時間を仕事をする為に時間を使う。
娯楽はもちろん、食事も、睡眠時間も。
ギリギリまで時間を削る。

少しずつでも進めないと、
締め切り期限になんてとても間に合わない。
そう思えば思うほど、焦りが募る。

甘えたらだめなんだ。と何度も言い聞かせた。

もっともっと、頑張らないと。

きっと結果を残さないと意味なんてない。

椅子に座り直して再び鉛筆を持って、
強く唇を噛んだ。