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wtnb, side.
いつもと同じ場所の椅子に座り、
涼太の作る朝食を食べる。
..うま。涼太以外が作る朝食は、
もう食えねえわ。
「..何、ニヤニヤしてんの」
「美味しそうに食べてくれて、嬉しいなって
思ってただけ」
「.. ああ、そう。見られてると、
食べづらいんだけど」
どうやら俺は、食べている時に
顔にでていたらしい。
味噌汁を啜りながら
.. 美味いに決まってんだろ。と
心の中で思う。
ふわっふわの卵焼きに、
いい具合の濃さの味噌汁に
俺が炊いた時より美味い白米に..
「この焼き魚、うまぁ！」
佐久間が興奮気味に食べてる、
何の魚かは知らないけど
美味そうなので俺も食べてみる。
..これも美味い。
ふふ。
「..何ニヤニヤしてんの」
ひかるさんが、冷たい目で俺を見る。
「や、ちが！」
だってさ、涼太の飯が美味くて、と
茶碗と箸を持ったまま
興奮気味に、反論しようとしたが
「..ごちそうさま。」
無言で食べていた、
ひかるさんの隣に座っていたらうは
静かに手を合わせて呟いた。
椅子から立ち上がると
食器を手に持って台所に向かう。
その姿を思わず目で追いかける。
遮られたというわけではない、
ただ.. うるさかったのかなぁ..と
思わず黙った。
「あ。大丈夫。俺が洗っとくよ。ほら、
学校に向かった方がいい時間じゃないの？」
涼太は時計を指さして、
らうを見てニコッと微笑む。
らうは食器を流し台に置いて
涼太の目をチラッと見て
そうですね。ありがとうございます。と、
それだけ言うと軽く会釈した。
次は壁掛け時計をチラッと見て、
俺らには見向きもせずに
静かに扉を閉めた。
扉が閉まる直前に、
あべとか佐久間が慌てて言った
「行ってらっしゃい」は、
彼の耳には届いたのだろうか？
何となーく流れる一瞬の沈黙。
そしてまたいつも通り、
空気が先ほどのように戻る。
これも、いつもの光景だけどね。
ここには何らかのものを
抱えた奴だけが住んでいる。
何を抱えているかは知らない。
らうも、その一人だ。
だから、うん。らうは悪くない。
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作者名：侑(*´-`) | 作成日時：2021年5月11日 1時
