― 09 ページ11
ab side.
時刻は21：30のこと。
ケータイを見た後、慌てた様子で、
廊下に向かって何かを確認に向かった目黒。
ひかるさんは、さっきから険しい顔で
何か文字を打っていて。
目黒は戻ってきて、一言。
「..今日って遅くても、20時過ぎには
佐久間くんが帰ってくるはずの日だよね？」
その言葉を聞いて、皆の視線が目黒に向けられた。
「そうやった..？」
「それ明日じゃないの？」
「今、ホワイトボードを確認してきた。」
こうじは困惑し、翔太の問いに目黒は即答。
翔太はケータイを開いて、ポツリと呟く。
「一時間以上たってる..」
その言葉を聞いた後、思わず反射で時間を見ると
ケータイには21：30と表示されていて。
時間がズレているのかと思って、
正確にはそう思いたくて。
壁掛け時計も見てみると
同じように21：30と時計の針は示す。
何かあったのかと思い、心配で。
メッセージを送るけれど
いつまでも既読がつかない。電話は繋がらない。
19時から一切連絡がないことに、不思議に思ってた。
..いつもなら時間の変更があれば、一言は連絡が来るのに。
ひかるさんが電話を掛けた、その時だった。
扉の開く音がして真っ先に駆け寄ると、
今朝はなかった右頬に、
大きな痣ができた佐久間が立っていた。
「ねえ、それ..」
「思いっきり派手に、転んじゃった！」
俺が痣をみて戸惑いながら聞くと、明るく笑って言う佐久間。
「本気で心配した。一言でも連絡してほしい」
目黒の言葉には苛立ちがこもってた。
謝る姿が“いつもの佐久間”だから。
皆はよかった、と安堵して納得した様子の中、
ひかるさんは険しい顔で。
「..消毒するから、こっちに来て」
「あべちゃん大げさだよ〜！」
「いいから。こっちに来て」
圧をかけてしまったのか、
素直に黙った佐久間の手首を掴んで、
隣の部屋に連れていく。
何故か胸騒ぎが、収まらない。
座って待つように伝えた後、
消毒液やガーゼ、包帯等が入った箱を
慌てて持ってきた。
大人しく座ってた、佐久間の目の前に座って問う。
「佐久間。他に怪我は？」
「えっとね、他に怪我は〜..」
服の袖を捲りながらいつもの調子で、明るく言う。
「さっきまで何があったの。」
俺の言葉に、分かりやすく目を丸くした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：侑(*´-`) | 作成日時：2021年5月11日 1時
