検索窓
今日:15 hit、昨日:21 hit、合計:157,748 hit

― 40 言えない思い. ページ9

ab side.


― 12:50



めめを、突き放してしまった。
寄り添ってくれた彼を。



壁に凭れ掛かり(もたれかかり)ながら、
ずるずると崩れるように床に座った。



罪悪感で苦しい。

..苦しいのは、めめの方か。




自分の言葉が頭の中でぐるぐると回る。
あの時の、めめの表情を思い出すと苦しくなる。





バレたくなかった。
親友の佐久間にも言えない秘密を。




服の上から強く手首を握り、
自分のしてきた行動を思い返す。



何で、何で..こんなことしちゃったんだろう。

自己嫌悪で繰り返した、その行動を酷く後悔した。


思えば、最初は衝動的なものだった。

自己嫌悪に陥る(おちい)と罰するように傷を増やした。



これが解決策になんてならないことくらい、
自分でもよく分かってるのに。






みんなにバレたらどう思われるんだろう。
初めてそんな風に考えた。


あの人みたいに引く?

それとも同情する?怒られる、かな。



..佐久間すら受け止めてくれるか分からない。





みんなに..佐久間にも嫌われるかもしれない、
唯一の居場所がなくなるかもしれない。




そう思うと恐怖で、ボロボロと涙が溢れた。





ごめん、めめ。

めめは何も悪くない..



突然、手首を掴まれたことに動揺しちゃったんだ。

だから思わず振り払ってしまった。

でも.. あの場でそれを、言えなかった。



めめの心に傷をつけてごめん..

届かない謝罪を、心の中で繰り返す。






そんな時、コンコンと 誰かが扉をノックした。

― 41→←― 39



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (182 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
992人がお気に入り
設定タグ:skab , 雪男 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:侑(*´-`) | 作成日時:2021年10月8日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。