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skm side.
「お邪魔しまーす..」
呼び出されるまま、ひかるの部屋へ。
え、俺、何かしちゃった？
そう思うほど、ピリついた空気。
「そこ座って」
「えっ、あ、うん」
言われるまま、目の前に座る。
やっぱり怒ってる？
自分の言動を振り返って原因を考えてると、
不意に「佐久間。」と
名前を呼ばれて思わず背筋が伸びた。
ひかるの口から出た言葉は、
俺が予想してなかった言葉だった。
「その怪我、本当に転んだから？」
「え..」
それは、あべちゃんと同じ質問だった。
ひかるにも疑われてたんだ。
あべちゃんと違うのは、
ひかるは俺の過去を知ってる相手。
どう答えることが正解なのかと、
何も答えずに考え込んでしまっていた。
「ここで何も答えない、ってことは、
本当は違うって捉えるよ？」
鋭い指摘に固唾を呑んだ。
何か言おうとしても、声にならなくて。
肯定する言葉も否定する言葉もでてこない。
何も、言えない。
この状況どうしたらいいの..
目を合わせられず俯けば、
ひかるの視線を感じる..ような気がする。
何か言わないと、って思うのに、
今何を言っても誤魔化せない気がした。
「俺ね、もし佐久間に何かあったなら。
助けたいって思ってる。」
本当に優しい声だった。
その言葉に目頭が熱くなってくる。
まだ顔を見れない。
見れるわけがない、泣きたくないから。
「佐久間に何があったか聞かせてほしい」
自分の中で何かが外れた気がした。
どこかで、手を差し伸べてくれることを
待っていたのかもしれない。
あべちゃんの手を握り返す勇気はなかったのに、
なんで？
ひかるには言おうと思えたのに、
何で親友のあべちゃんに言えなかったんだろう。
俺は、自分の身に何がおきたかを話した。
１つ、１つ。
一度言葉にすれば止まらなかった。
あれだけ抑えていた思いが。
纏まりもなくて、紙に殴り書きをするように。
感情的に言葉を吐き出せば、
同時に、ぽたぽたと涙も溢れてく。
その涙はすぐには止まってくれなかった。
ひかるは鼻を啜りまた優しい声で、
「つらかったな..」と言ってくれた。
また、泣いてしまった。
みんなの前では“いつも笑顔の佐久間”で、
居たかったのに。
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作者名：侑(*´-`) | 作成日時：2021年10月8日 15時
