９つの零れた涙２ (ページ17)

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kj side.

ラウールラウールです。
ここから一番近くにある、
大きな時計が目印の公園で待ってます

仕事終わりにすぐメッセージアプリを開くと
ラウールくんからメッセージが来ていた。

それも二時間ほど前に。
え、教えた直後？

遅いから家で待っててって意味やったのに..
こんな真冬に外で待つなんてめっちゃ寒いやん。

この近くで大きな時計が目印の公園といえば
思い付く場所は１つ。

お店の近くの自販機で、
ラウールくん用のホットココアと
自分用にもコーヒーを購入。

寒空の下で待たせてしまってる。
駆け足で、公園に向かう。

あの後に続くメッセージは、

めめを支えたいから、知恵を貸してください

だった。

めめは、きっと俺らの中で誰より、いつも。
ラウールくんのことを気にかけてた。

そのラウールくんから“めめを支えたい”

帰ってきてすぐ、あべちゃんを呼びに行って
すぐに階段を降りてきためめ..
見たことがないほど、暗い顔をしてた。

俺も気になってたけど、何も聞けなかった。
何て声をかけたらいいのかが分からなくって..

一階に居なかったラウールくんも、
異変に気づいてたんやね。

「ラウールくん！待たせてごめん！」

ブランコに座りながら、
手を擦り合わせて居たラウールくん。

「全然、大丈夫です」とか言うけど、
さっきと違って赤く染まった鼻と耳を見て
相当、体が冷えてしまったことが分かる。
分かりやすい強がりやわ..

「ごめんな。これ、お詫び」と、
買ってきた温かいココアを渡せば、
戸惑いつつも受け取り嬉しそうに微笑む。

「ありがとうございます」と微笑む、
ラウールくんは見たことがない表情で。
年相応の可愛らしい笑顔やった。

「さっきの帰って待ってて、って意味で
言ったつもりやったんよ。」

彼は「えっ」と呟き、

「早くめめの力になりたいってことしか
考えてなかったです..」

と、俯いた。

この子にとってどれだけ、大きな存在か。
めめがどれほど支えてきたか。

何となく、見えたような気がした。

ラウールくんの頭をぽんぽんと撫でて

「ラウールくん。
俺も、一緒にめめを支えたい」と伝えれば

ラウールくんは大きく頷き、

「僕に出来ることをしたいです。」と

俺の目を見て、力強く述べた。

めめを。ラウールくんを。

皆を支えたい。

だから１人１人と向き合っていこう。