02.5 裏側 ページ3
☆
「オイ！ジョングク！」
友人のトユンが声を上げる。
Aさんを先に家に入れ、本当に入ったか確認しながら僕に鬼の形相で肩を掴んできた。
「いや相変わらず声でかいなトユン」
「うるせーそれどころじゃねえ！Aが俺よりお前に懐きそうなんだよ！しねよ！」
「なんっだお前。Aさんと二人きりが緊張しすぎて耐えきれないからって僕を口実にこれから飲むくせに」
ギクリ、と固まるトユン。
こいつはAさんのことが好きらしい。男同士だから友情とかAさんのトユンへの信頼が負担になっていて、毎日のようにトユンの家に通うAさんをいつぐちゃぐちゃ(言い方)にするかわからないから一緒に飲んでくれ、と誘われた。
まさかトユンが男を好きなんて思ってもなかった。
過去に僕に惚れるなよ、と言ったことがあるが、お前みたいな筋肉豚はいらん、と言われた。
その後こいつの首を絞めた。
直ぐに家に入ってこない僕らを不思議に思ったのかAさんが家の中から顔を覗かせた。
「なにしてんの」
「わりーわりー！今行くから！」
「ウン、早くしろ」
Aさんの第一印象は妙に色っぽい人、だ。
特別に綺麗なわけではない。
パッと見は平凡な顔だが、なぜだか綺麗だと言わせるような雰囲気をしていた。なんというか、目や仕草が色っぽい。流し目というやつをよくするし、なにより、声がいい。凄く良い声だ。
「ジョングクさんも、早く」
「あ……はい」
口角を上げて、Aさんはきれーに笑った。
(第一印象は、なんだか、妙に色っぽい人)
☆
続く (更新停止中)
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作者名：ｙ | 作成日時：2018年8月15日 21時
