01 知り合い ページ1
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「は、まじ?」
友人が放った言葉に対し、思わず声を発した。
口に咥えた煙草を一度口から離し、友人の方に顔を向けた。友人は俺に向かってこう言ったのだ。
「お前バンタン知ってっよな?」
「まあ、ウン」
「俺、ジョングクと知り合いなんだよ」
「は、まじ?」
「知り合いっつーか友達?的な。そんでお前の話したらお前と話してみたいつってさ。飲み行こーぜってなったんだよ。お前、酒飲めるよな?」
「……イヤ飲めるけどさ、」
「飲めるけど、なんだよ」
煙草をふかしながら言う友人、トユン。
トユンには今まで散々振り回されてきた。
だが、まさかトユンと関わってこんないい思いが出来るとは思ってもなかった。
しかも俺が好きなアイドルグループだ。
男でも憧れる防弾少年団のジョングクと知り合いっつーのはマジでスゲー。
「飲めるけど、芸能人だろアッチは」
「まー大丈夫だろ」
「ほんとかよ。つーかなんで俺の話したんだ」
「……まあ色々だよ」
「なんだよそれ。やましいことでもあんのか」
「……お前の口からやましいって言葉聞くとなんかえっろい」
「きっしょ」
ヒデーと言って笑うトユン。
まあとにかくだ、芸能人と飲めるってのはマジでラッキーだとしか思えない。嬉しい気持ちを隠すように少し俯き、右耳に髪をかける。
「あ、もしかして嬉しい?」
「……なんで?」
「癖だよ、癖。お前嬉しい時とか恥ずかしい時とか絶対髪触るし」
「え、恥ず」
「あ、まーた髪触るー。お前妙に色っぽいからそれやめた方がいいって。めっちゃえっろい」
「なんっだそれ」
トユンの言葉に少し笑いが出た。
その後、トユンから詳細を聞いた。一週間後にトユンの家で飲むらしい。流石に芸能人だから外食は駄目なんだろうなと思いながら話を聞いた。
楽しみな気持ちを抑えながら、その日は解散した。
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作者名:y | 作成日時:2018年8月15日 21時