short story 【c,r】

飛び級ヒロイン / urc ページ5

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あんまり学校に来ないくせに、君はずっと人気だった。
登場人物で例えるならもちろんうるかくんは主人公で、私は廊下を彼が通り過ぎた時に振り返る女子生徒役C、とか。
役名も、セリフもないような。言ってしまえばエキストラ。
ではなぜ主人公を好きになったのか？


答えは簡単、入学したての頃、かっこいい人がいるという噂を聞き興味本位で見に行ったところ、
ビジュどタイプの男子生徒を発見、持っている人脈をフル活用して彼の情報を聞き出した結果、気付いたときには恋に落ちていた。
中学からのマブダチだった渋ハルに何度呆れた顔をされたか。

もしかしたら推し、みたいな感情もあるかもしれない。




そんな私も高校2年生、いつのまにかうるかくんを一方的に知ってから約一年たってしまった。

今年の2月のバレンタインは持ってきたもののうるかくんが人気過ぎて渡せなかったし、未だに接点はない。
同じクラスにもなれなかったし、神様にも応援されていない私はきっとあと2年間恋心を秘めたまま生活していくんだ、、とつい先ほどまで本気で思っていた。



『Aさん、いますか』

「へ、」

君が私の名前を呼ぶ時がこんなに早く来るなんて、聞いてない。





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