元、ですから。元カノです。 I.Daichi 〈恋の病と野朗組〉 (ページ18)

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そんなこんなで、Aを諦め、新しい恋を決意してから約半年。

俺にも彼女ができました。

名前は芹沢すずちゃん。ふわふわした雰囲気の可愛い子です。

芹「一条くん？早く帰ろう？」
「あ、うん。行こっか。」

じゃあ明日なーって野郎組メンバーに別れの言葉を告げ、
2人で歩く。

何一つ物足りなくはない。

むしろ、充実しすぎている。

この子は俺にはもったいない。
そう思うのはなぜだろう。

俺は心のどこかで、まだ、

いや、やめよう。こんなこと考えても誰も幸せにならない。

芹「って、一条くん聞いてる？？」
「え、あ、聞いてるよ？？」

ふーんそっかって
ごめん、すずちゃん！

聞いてなかった、、

「あ、じゃあ、また明日ね。」
芹「あ、うん」

俺らのお決まりの交差点でお別れをする。

すずちゃんがいなくなって
ひとりぼっちの帰り道は何か物足りない。

すずちゃんは確かに可愛いけれど、Aみたいに
モデルになれる程かって言われたらそこまでじゃない気もするし、
勉強もそこそこだ。

いや、ほんとにやめよう。
全てAと重ねるのは、

俺はもう諦めたんだから、そんな必要はないはずだから。

ポケットの中でバイブレーションする俺のスマホ。

画面が映してたのは、忘れたくても忘れられなかった

＿＿＿＿＿あの番号だった。