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hk
「なにか聞いておきたいことある？」
そう訪ねると、真剣に考え込む。
少し経って、大ちゃんは口を開いた。
「…分からないことがあったとき、光くんに聞くのでいいんですか……？」
あ、そっか、そこの説明してなかった。
「うん。もし俺がいなければ山田に聞いて」
「山田…？」
「そう。
家事は基本的に俺と山田2人で担当してるんだよね」
「この量を、2人で……？」
「うん」
まぁ不思議にも思うよね。
大ちゃんが来る前は7人で住んでた訳で、それでも結構な量がある。
みんなでやれば早いはずだし。
「裕翔と雄也は本業の方でガッツリ働いてもらってるんだ。
それに、薮と知念と伊野尾ちゃんは、本業とは別の仕事もしてて、それぞれ忙しいの。
だから、ハウスのことは基本何もしなくていいよってなってるんだ」
「ほかの、仕事……」
「山田も本業の方がそれなりに忙しいんだけど、家事が好きだって言って手伝ってくれてる感じ」
「……光くんは…？」
「俺も仕事はあるけど、みんなほどガッツリはしてないんだよね。
その分、ハウスのことは任されてるの」
「そうなんですか……」
薮から、大ちゃんに聞かれるまでは仕事のことは話さないようにって言われてる。
だから大ちゃんは知らないことだらけだろうな。
まぁそのうち知ると思うし、そう焦る理由はないしね。
「……おれ、掃除とか料理も手伝います」
呑気に考えていると、大ちゃんから思いもしなかった言葉が発された。
びっくりして思わず、少しずつでいいんだよなんて返す。
すると大ちゃんは、少し強めの口調で言葉を続けた。
「…たくさん、良くしてもらってるから……。
おれも、自分のできること、したいです……。
…それに、なにかしてないと、落ち着かないから…」
……そっか。
よく考えれば、それもそうだよね。
大ちゃんは優しくて、責任感が強くて、ほんとにいい子なんだなぁ。
だとしたら、ここで無理に拒否することは、逆に大ちゃんの負担になりかねない。
「…じゃあ、少しずつ、手伝いお願いしてもいい？」
「もちろんです…！」
みんなもきっと喜ぶだろうな。
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作者名：まり | 作成日時：2022年10月30日 15時
