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またある日。


日中、大ちゃんはリビングで勉強している事が多い。

人が居るところの方が落ち着くというのと、分からないところをすぐに聞きたいというのがあるらしく。

勉強が得意だという伊野尾ちゃんと薮ちゃんも、リビングで仕事をしてることが多い。

だから、大ちゃんが2人と机に向かっている光景も、最近は見慣れたものになってきた。



そんな3人の前で、並んでテレビを見ている俺と雄也。

嫌でも3人の会話が耳に入ってくる。




「…ねぇ薮ちゃん、今いい?」


「ん?どうした?」


「ここが分かんなくて…」




大ちゃんが分からないというと、教えを請われた人は必ず手を止めて大ちゃんに向き合う。

薮ちゃんが少し説明をすると、大ちゃんは理解したようで、ありがとう、と言ってまた1人で勉強に向かった。










しばらく経って、そろそろ休憩したら?という光くんの声。

机に向かっていた3人に、誰が何を飲むか当然分かるといったふうに飲み物を渡す。


休憩タイムとなると、3人の会話は弾む。

……別に、盗み聞きしてるわけではないよ。


そして、誰かのそろそろやろっかと言う声に、またそれぞれ机に向かいだす。

始まってすぐ、




「そういえば、さっきのとこ大丈夫だった?」




と薮ちゃんの声。

休憩の前に教えたところが解決したかを確認してるようだ。




「うん、大丈夫。ありがとう」




大ちゃんがそう答えると同時に、ガタッとなにかが動く音。

思わず振り向くと、大ちゃんの横に座ってたはずの伊野尾ちゃんが、大ちゃんを抱きしめているようだった。

……抱きしめた!?





「もー、大ちゃんかわいい!!!」


「かわっ、、!?」





突然の伊野尾ちゃんの行動と言葉。

明らかに動揺している大ちゃん。





「お前、突然なにやってんの?」


「だって、大ちゃんかわいいんだもん!!」





いいなー、俺が教えたらさっきの笑顔は俺のもんだったのに。

と、伊野尾ちゃんは謎に薮ちゃんに噛み付く。



頭にはてなを浮かべた大ちゃんは、顔を少し赤くして、されるがままになっていた。

自分の笑顔が伊野尾ちゃんの行動を招いたと気づいていないんだろう。



くそ!!薮ちゃんもだけど伊野尾ちゃんも羨ましい!!




「…山田、大丈夫?」


「大丈夫だけど!?なに!?」




雄也に心配?(呆れられてるだけ)されようが、今の俺にはちっとも刺さりはしない。

伊野尾ちゃん、さっさと離せ!!!

・→←笑顔



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作者名:まり | 作成日時:2022年10月30日 15時

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