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あれから5日。

大ちゃんに呼ばれて行くと、テーブルにはこの間渡した資料が並べられていた。




「…これ、ありがとう」


「あぁ、うん」




大ちゃんは、並べられたうちの1つをゆっくりおれの前に差し出した。




「……高卒認定、とりたいなって」




いいかな…?、とこっちを伺うようにじっと見る。

俺の返事は、すでに決まってる。

だって、大ちゃんが自分で決めたことなんだから。





「もちろん、いいよ」




はっきり伝えると、大ちゃんはほっとした顔をした。

でもすぐに顔を引き締めると、




「…どうしたらいいかな?

手続きとか、参考書とか、おれ全然分からなくて…」




そう聞いてきた。





「大丈夫、ゆっくりやってこ」





安心させるように言うと、素直にうん、と頷く。


大ちゃんのために、できることはなんでもやるよ。

その気持ちとともに、さっそく準備を始めた。


























それから数日が過ぎて。

色々準備を終えたから、ハウスのみんなを集めた。

大ちゃんが勉強をしたいと言ったことと、高卒認定をとることにしたことを伝えると、みんなは自分の事のように喜んだ。

特に山田は、大ちゃんが高校を途中で辞めたことが気になってたみたいだから、人一倍嬉しそうな顔をしていた。

そんな山田を見る大ちゃんもまた嬉しそうで、見てるこっちまで嬉しくなってしまう。




「大貴、なんでも聞いてね」


「俺も結構教えてあげられると思う」




知念と伊野尾は、自信満々にそう言って。




「勉強は分かんないけど、応援はがんばるね」


「家事とか、気にしなくていいからね」




雄也と光は、自分たちにできることならなんでも、とサポートすることを伝えて。




「俺もなにか勉強しようかなぁ」


「えー、ずるい!俺も大ちゃんと勉強したい!」




マイペースな裕翔と大ちゃん大好きな山田は、口々に好きなことを口にして。



それぞれの言葉を受け取った大ちゃんは、一人一人に丁寧にお礼を言った。

そして最後に、後ろからみんなを見ている俺に向かって、




「…いっぱい調べてくれて、ありがとう」




そう言って笑った。

これくらいなんてことないよって返したけど、照れ隠しだったのがみんなにはバレたようで。

からかわれたけど、たまにはいいか、と思ったり。



やりたいことを見つけて、みんなに囲まれて笑って。

大ちゃんのこれからが楽しみになった。

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作者名:まり | 作成日時:2022年10月30日 15時

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