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大ちゃんに、少し時間がほしいと頼んでから1週間。
ようやく準備ができたので、リビングに呼び出した。
「大ちゃんに合いそうなものをいくつか準備してみた。
これが全てじゃないと思って聞いてね」
「…うん、ありがとう」
目の前に資料を広げる。
そして、できるだけ丁寧に説明をした。
俺が提案した選択肢は3つ。
1つ目は、参考書を買ったり借りたりして、独学で勉強をすること。
勉強する内容は自分で決められるし、期限もないから、自由度が高い。
ただし内容によっては、俺たちが手助けできないことも大いに考えられる。
また、自由度が高い分、選択肢も広いから、どこからどう勉強するか、というとこから考えなければいけない。
「なにか勉強したい分野があるなら、この方法が1番いいと思う」
「分野…？」
「例えば、政治とか経済とか。あといろんな資格とか？」
「資格……」
「光はコーヒーソムリエの資格持ってるよ。
そういうのは学校ではまず勉強しないからね」
「そっか……」
2つ目は、高校に通うこと。
「…高校って、おれの年齢でも通えるの？」
「高校は義務教育じゃないからね。
中学を卒業したら高校に行くのが当たり前って感じだけど、別に法的な決まりはないよ」
「そうなんだ…」
「高校っていったら全日制をイメージすることが多いと思うけど、定時制や通信制なんかもあるから、色々選べると思う」
首を傾げる大ちゃんに、制度の違いを説明する。
「ただ、どっちにしろ高校入試の試験があるから、中学までの勉強はしておかなきゃいけないけどね」
「あ、そっか……」
「あと、やっぱり全日制や定時制に通うとなれば、周りは大ちゃんより年下が多いと思うから、そこも気にはなるかも」
うーん……、と悩んでいる様子。
一口に高校に通うといっても選択肢は広いし、もしこれを選ぶとしても、もう少し考えなければいけない。
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作者名：まり | 作成日時：2022年10月30日 15時
