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リビングのテーブルでパソコンを広げる俺。

その前に座り、ちらちらと周りを見る大ちゃん。

その目線の先には、キッチンにいる光、ソファで本を読む伊野尾、テレビの前でゲームをする山田達。

時折、俺の方にも目線を向けてくる。




昨日、仕事終わりにみんなから聞いた話。




「この間大ちゃんさ、いつもは離れたところで見てるのに、わざわざ隣に来てゲーム見てたんだよね」


「あー、あの日ね。びっくりしたよね」


「俺も、お菓子作ってたら珍しく話しかけられたよ」


「そういえば俺も、一緒に映画見たわ」


「雄也、こないだドライブしてなかった?」


「うん、急に一緒に行きたいって言われたから」


「どうしたんだろうね、大ちゃん」


「まぁ、緊張せずに話しかけてくれてるのはいいことなんじゃない?」


「それはそうだけどさ」











この会話を聞いて、少し思いつくところがあった。

仕事も一段落したし。

そう思い、目の前にいる大ちゃんに声を掛ける。





「大ちゃん」


「…え?」





ゲームを見ていたらしい大ちゃんは、少し間の抜けた声で返事をして、俺の方を見た。


すると、俺がパソコンを閉じたことに気づいたらしい。

ごめん、邪魔した…?と、小さな声で尋ねてくる。

いや、ちょうど終わったとこ、と返事をしつつ、こちらを見る大ちゃんをじっと見つめ返す。


困惑した様子の大ちゃんは、薮ちゃん…?と俺を呼ぶ。





「大ちゃんさ」


「うん…?」


「もしかして、趣味探してる?」




ここ最近、みんなが趣味と言われることをしているときに、大ちゃんが声を掛けているのが分かった。

だから、大ちゃんも興味があるのかな。

そう思って聞いてみると、大ちゃんの顔が少しずつ赤くなった。





「……おれ、分かりやすい?」


「いや、気づいてるの俺だけだと思うよ」




恥ずかしそうな大ちゃんを安心させようとそう伝える。

大ちゃんは、そっか、と呟くと、少し経って、あのね、と話し始めた。

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作者名:まり | 作成日時:2022年10月30日 15時

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