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突然のオーナーの行動に、みんな戸惑って動けない。
すると、
「JUMP様ですよね！？」
おれたちに言った勢いそのままに、深く頭を下げた。
「なにか……！！なにかご要件でしょうか……！！！」
そんなオーナーを見たことがないおれを含めた何人かは動けないまま。
でも、ほかのホステスや黒服は、そのオーナーの言葉を聞いて、ざわつき始めた。
「え……！…JUMPってあの？」
「…どういうこと？」
「JUMPってなによ」
JUMPとやらを知っているホステスに対して、ずっと怪訝な顔をしていたホステスは尋ねた。
「あんた知らないの！？」
「夜の世界で超有名な組織よ！」
「なに？どういうこと？」
「やばい店とかオーナーとか調べて、摘発すんのよ！
これまで何件も見つかってきたって有名なの…！」
え……、ってことは…………
「え、じゃあこの店も摘発されるってこと？」
1人のホステスのその言葉に、さらにフロアがざわつく。
混乱していたその場に、急に凛とした声が響いた。
「初めまして。
早速ですが、ここにだいきくんっていますよね？」
「……………え？」
急な声に静まったと思ったその場は、さらに静まり返った。
「は……」
「大貴がなに……？」
名前を呼ばれたおれは、声を出すこともできない。
「…あ、いた！」
そう聞こえたと思ったら、急に腕を掴まれた。
掴んだ先を見ると、その手は伊野尾様のものだった。
「よかった〜、いないかと思っちゃった」
「……えっ、と………？」
何が何だか分からない。すると、
「大貴くん、ここ辞めさせてもらえます？」
さっきの声の持ち主が、また突然そう言い放った。
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作者名：まり | 作成日時：2022年9月12日 18時
