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hk
ガチャ
「おかえり」
「どうだった？」
「さいっっあく！」
うわ、機嫌わる………。
見ただけでそう分かる知念と、後ろで深刻な顔をしている伊野尾ちゃん。
「どう見ても過労！
でも認めようとしないし、ほんとに気持ち悪い！！」
「体調悪そうだった？」
「悪そうどころじゃないよ！
僕らの目の前で倒れたんだから！！」
「え、まじ？」
「ほんっと……、許せない………」
お怒りの知念に、伊野尾ちゃんが後ろから補足した。
「倒れたんだけどさ、周りも誰も助けようとしないし、明らかにって感じ。
明日からも普通に働かせようとしてる感じだったから、知念が無理やり5日間休み取りつけてきたけど」
「……そっか」
みんなも深刻な顔で、考え込んだ。
「……ねぇ宏太」
そんな空気の中、怒っていたはずの知念が静かな声を出した。
「ん？」
「…早く、助けてあげたい」
知念はみんなが思っているその言葉を、小さく、でも強く言葉にした。
「……うん」
「あの子、ずっとこんな状況に耐えてきたんだと思う」
「うん」
「…地獄はもう十分だよ」
「…うん、そうだな」
たくさんの地獄を見てきた。
あの子は、まだ地獄に囚われたままだ。
「……よし」
薮は、決意を決めたらしかった。
「伊野尾、6日後までに間に合う？」
「楽勝。もうほぼ準備はできてるよ」
「みんな6日後、いいね？」
「もちろん」
もう1人で苦しまなくていいんだよ。
「じゃあ、あの子を救いに行こう」
必ず、助けてあげる。
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作者名：まり | 作成日時：2022年9月12日 18時
