JUMPな日常３ (ページ9)

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薮side

…これはもう、ヤバい。
伊野尾がイケると思ったのも一瞬だった。
大ちゃんは立て直しが早くて、伊野尾の反撃は失敗したようなもの。
…でもだからって、簡単に諦めるような伊野尾じゃない。

!!! ……勝負に出るらしい。

有「!!!」

壁を背にした大ちゃんを前に伊野尾は大きくジャンプ。
……そこからは、一瞬だった。

「ギブ!!」

そのたった一瞬の後に上がったこの声。
声を上げたのは…

伊「あーあ」

有「よし!!」

伊「もうちょっと優しくしてよね」

有「手加減したら手抜くなって怒るじゃん」

伊「そーだけどさぁ」

……あの声は伊野尾の声。
さっき何が起こったか。説明すると…

タンッ

大きくジャンプした伊野尾。
ふいをつかれた大ちゃんだったけれど、すぐに切り換え、伊野尾の次の一撃に備える。
伊野尾は壁を蹴り、その勢いで体を回転。
回し蹴りで大ちゃんを襲った。

…が、大ちゃんはその足をつかみ、伊野尾をぐるんと回して倒し、その上に馬乗りになった。
そしてまだ状況を把握しきれていない伊野尾に渾身の一撃を向かわせる。
やっと状況を理解した伊野尾は避けられないと判断し、ギブ、と声を上げた。

ここまでの一連の流れで、大体一秒。
…2人の戦闘能力は、相変わらず桁外れらしい。

髙「2人とも、お疲れさま」

有「あっ髙木！見てた？」

髙「ちゃんと見てたよ。
伊野尾くんもあとちょっとだったね」

伊「……勝たなきゃ意味無いし」

髙「まぁ、たしかにそうなんだけどね」

伊「…バーカ」

髙「え？ひどくない？」

薮「髙木はバカでしょ？」

髙「薮くんまでそんなこと言う？」

薮「ふふっ」

ま、とりあえずこれで戦闘分野の試験も終了したし、あとは結果発表だね。
どーなるかなー…。