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太「Aさんの行きそうな所は?」
拓「……」
祐「……」
晃「いやないんかい」
拓「…とっくに探した」
というか、そもそもお嬢は何も言わずにいなくならない。思い当たる所と言えば昔三人でよく遊んでいた公園くらいだけど、もちろんそこにいるはずもなく。
こうしていても思い出すのは、お嬢の笑った顔だった。お嬢は今どこにいて、何を考えて何をしているのだろうか。
晃「…なんやねん」
祐「……なんでもない」
プロポーズ、かあ…
僕と拓弥がお嬢にプロポーズなんて、きっと一生許されない。それは近いのに遠いというか、不思議な感覚で。家族であり家族でない、友達でもない、"付き人"という言葉の意味を考えさせられる。
拓「とりあえず手当たり次第行くしかな…」
そう言いかけた拓弥のスマホが鳴り響く。その画面を見て、稜雅?と小さく漏らした。
太「稜雅さん?」
晃「見つかったんかな」
拓「……もしもし、稜雅?」
祐「見つかった?!」
電話をスピーカーにして向こうの言葉を待つ。けど、ただ続く沈黙。
拓「おい、稜雅…」
『…おー、五十嵐のとこの奴か?』
稜雅の声ではない、海の声でもない低い男の声に全員の顔が強張る。その向こうで、やめろ!と聞こえた。…これが海だ。
太「海さん!!」
晃「おい!!誰やお前」
『吉野の跡取りもいんのか、ちょうどいいな』
拓「……何なんだよ、お前…」
『隣町の港の倉庫に来い……お前らだけでな』
『祐基、拓弥!っ、』
拓「お嬢様!?」
祐「お嬢!お嬢!!」
電話が切れる直前に聞こえたお嬢の声。声だけでわかる、緊迫した状況。顔を見合わせて四人で一斉に走り出した。
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K!NOKO//(プロフ) - みんなでお泊まり的なのがみたいです! (2017年8月4日 17時) (レス) id: d70e71fa7b (このIDを非表示/違反報告)
ちぇるん。(プロフ) - いつも楽しみにしてたので番外編書いていただけるのはすごく嬉しいです!拓弥と祐基のお嬢様なんですけど個人的にこーちゃんとの絡みがみたいです! (2017年8月3日 3時) (レス) id: cba54d5afa (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - エムさん» コメントありがとうございます(^_^)少しお話考えようと思います!頑張ります! (2017年8月1日 19時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - sunpoi5さん» コメントありがとうございます(^_^)その4人とのお話も書きたいですし稜海やタカシとのお話も書けたらなと思います! (2017年8月1日 19時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - 陽彩さん» コメントありがとうございます!お話少し考えようと思います! (2017年8月1日 18時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な な . | 作成日時:2017年6月8日 21時