僕のお嬢様 -２-

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佑「Aちゃんは…五十嵐一家の娘で後悔してない？」

「…え？」






行くあてもなくふらふらと歩いていると、福田くんがぽつりとそう言った。後悔、かあ。









「……ないかな。まあ冷たい目で見られる事もあったけどどうでもいいやって思った。祐基と拓弥がいたし」


佑「……二人の事、本当に好きだよね」


「あはは、でも福田くんだって小笠原くんと船津くんがいるでしょ？」


佑「…うん、二人がいなきゃ僕は潰れてた」








私には祐基と拓弥がいるように、福田くんには小笠原くんと船津くんが。吉野くんだって松尾くんが。それぞれ大切な人がいて、だからここまでやって来る事が出来て。




…祐基と拓弥、今何してるんだろう。必死になって私の事探してるのかな。まだ仲直りしてないのかな……









佑「………Aちゃん…」

「…あ、ごめんね。どうしたの？」





ぼーっと考えていると福田くんの声に気が付かなかった。気を取り直して顔を向けると、今度は福田くんが何やらぼーっとどこかを見つめてる。







「…福田くん？」

佑「……逃げよう」

「え？」






私の手を取って走り出す福田くん。着いて行くのに精一杯で、何も聞くことが出来なかった。



ただ、福田くんの手は物凄く震えていた。何度も名前を呼んだけど、福田くんがそれに答えてくれる事はなくて。ちらりと後ろを見ると数人の男達が視界の端に見えた。







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