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「ただいまー…」
拓「お嬢様、お帰りなさい」
リビングに行くと拓弥が自分の洗濯物を畳んでいた。辺りを見ても祐基の姿はない。
「……ねえ、祐基と仲直りしたら」
拓「………」
「顔の傷なら私は何も気にしてないよ、もう治るし」
拓「……けど」
二人とも過保護だけど、拓弥は祐基の何十倍も過保護だと思う。怪我をさせた、それも顔に。それが許せないのかもしれないけど、私が何度「気にしてない」と言っても拓弥自身が納得いかないようで。
「……ちょっと来て」
拓「え、」
拓弥の腕を掴んで廊下を歩く。祐基の部屋の前まで来ると、ノックもせずドアを思い切り開ける。祐基はゲームの真っ最中だった。
祐「わっ!!お嬢!?」
「話がある」
祐「あーーー!!ちょ!セーブしてない!!」
ゲームの電源を切るとこの世の終わりかのような泣きそうな顔でこっちを見る祐基。拓弥もびっくりした顔でその様子を眺める。どうでもいい。いつまでも意地を張り合う二人が悪いのだ。
「……仲直りしないなら、私吉野くんと結婚する」
拓「…え、結婚…?」
「プロポーズされたの。命賭けて守るから結婚してくれって」
祐「…い、命賭けてるのは僕らだって同じです!お嬢の事ずっと守ります!!」
「今の二人じゃ無理。吉野くんの方がよっぽど頼りになるし安心する」
きっぱりそう言い放つ。お互いがいてこそ、信頼しあってこそ誰よりも強い二人になれる。それは本人達だってわかっているはずだ。
「……じゃ、そういう事で」
拓「お嬢様!待って下さい!」
祐「お嬢!!」
「来ないで!」
振り返らず部屋を出て、自分の部屋に入る。…いつまでも意地張るなら、こっちだってやってやる。
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K!NOKO//(プロフ) - みんなでお泊まり的なのがみたいです! (2017年8月4日 17時) (レス) id: d70e71fa7b (このIDを非表示/違反報告)
ちぇるん。(プロフ) - いつも楽しみにしてたので番外編書いていただけるのはすごく嬉しいです!拓弥と祐基のお嬢様なんですけど個人的にこーちゃんとの絡みがみたいです! (2017年8月3日 3時) (レス) id: cba54d5afa (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - エムさん» コメントありがとうございます(^_^)少しお話考えようと思います!頑張ります! (2017年8月1日 19時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - sunpoi5さん» コメントありがとうございます(^_^)その4人とのお話も書きたいですし稜海やタカシとのお話も書けたらなと思います! (2017年8月1日 19時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - 陽彩さん» コメントありがとうございます!お話少し考えようと思います! (2017年8月1日 18時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な な . | 作成日時:2017年6月8日 21時