28.お嬢様、笑って下さい ページ35
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佑「…それで、最近休んでるんだ……」
それから三日ほど経ったけど、会長はまだ目を覚ますことはなかった。その間お嬢様は毎日病院に泊まり込んで、ずっと会長の隣にいた。
海「二人は?行かないの?」
拓「放課後は毎日行ってるけど…夜になったら帰れって言われる」
祐「…学校も、僕らには行けって」
あのお嬢さんらしいな、と海がぽつりと言った。隣で祐基が鼻を啜る。
太「…ご飯は食べてるんですか?」
拓「…一応お嬢様の様子も見てもらってるけど、食ってないって。いらないってさ」
晃「大丈夫なんかあいつ…」
祐「…大好きなオムライスも食べないって……」
稜「Aさんまで倒れたら元も子もないし…」
海「とりあえず一旦家で休ませた方がいいんじゃない?」
そうだよな…と溜息を吐く。ここ最近のお嬢様は見てられないほど、目に見えてボロボロだ。あまり寝ていないのか顔は疲れ切ってるし、ご飯を食べてないせいで元々細い身体はさらに華奢になった。
連絡があった日、子供のように泣き続けたお嬢様。お嬢様が泣いている姿を見たのは、いつぶりだっただろう。小学生の時クラスの男子と喧嘩しても、中学生の時先輩に嫌がらせされても泣かなかった。むしろ返り討ちにしてやって勝利の高笑いを上げていたお嬢様なのに。それほどショックだし、不安なんだろう。
佑「……よし!やろう!」
稜「…若?」
突然立ち上がった福田に六人の視線が集まる。よく見ると福田の目も潤んでいた。
佑「僕、跡取りとして生きる自信をAちゃんに貰ったんだ…だから次は僕が元気付けたい!こんな時だからAちゃんには笑ってもらわないと!」
全員の目を見て力強い声で言う。みんな立ち上がって、自然と円陣を組んだ。その後の掛け声がグダグタすぎて、これを見たらお嬢様はきっと「バカじゃないの」って笑うんだろうななんて考えてしまった。
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ひろ(プロフ) - 初めて書かせていただきます!すごく面白いです!みんながワイルドな感じでドキドキですね(///ω///)続き楽しみにしてます!! (2017年5月16日 2時) (レス) id: ce336a9dfc (このIDを非表示/違反報告)
エム - なな.さんの作品めっちゃ好きです!更新待ってまーす! (2017年5月10日 0時) (レス) id: be027d3da3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な な . | 作成日時:2017年5月7日 12時