僕のお嬢様

15.お嬢様、イラつく ページ19

.





「祐基お説教かなあ〜」




祐基は先生に呼ばれた、拓弥は音楽室の掃除。先に掃除が終わった拓弥と待ち合わせるため下駄箱に向かおうと廊下を歩いた。




海「あ、五十嵐A」

稜「ちょ、海」





A組の教室の前を通るとふと聞こえた声。え？フルネーム呼び捨て？と、ちょっとイラつく。中を見ると、この前教科書貸してもらった人とその友達。…ムカつくけと、一応もう一回お礼言っとこう。






「…あの、この前教科書ありがと」

海「うん全然いいよ、それより聞きたいことあって」

稜「ごめんねいきなり失礼で…」

「ほんと失礼だね…何？」

海「五十嵐さんと草川と村田って幼馴染なの？」


「おさ……ああうんそうそう」




少し忘れかけてた…幼馴染という設定を。慌てて答えると金髪が、ふうん、と漏らした。何だろう？






拓「A、」

「あ、拓弥……」

拓「遅いから来た。…誰かと話してんの？」

海「なんでもないよ、引き止めてごめんね五十嵐さん」




じゃあね、と二人に見送られ、拓弥と再び廊下を歩き出した。





拓「…何だったんですか？」

「よくわかんない。話した事ある？」

拓「僕も祐基もないです」







廊下を歩く私達の後ろ姿を、二人が見ていた事には全く気が付かなかったけど。




.

16.お嬢様、大人っぽくなる→←14.お嬢様、忘れ物をする

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す