END Ki ページ32
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いつもの時間
玉と話していたら急に体に重くなった
香った甘さに胸がぎゅっと苦しくなった
北「……藤ヶ谷…？」
藤「…」
返事をしない代わりに
俺を抱きしめる力が強くなる
嬉しいのか
悲しいのか
複雑な感情でただただ困惑してしまう
マ「…北山くん、時間大丈夫かい？」
北「へっ？あ…！」
沈黙を破ったマスターは
俺に置き時計を見るよう促した
その会話を聞いた藤ヶ谷は俺から
離れようとしたのがわかって
反射的に手を掴んだ
北「あ」
藤「……っ」
やっと目が合ったけど、藤ヶ谷は
俺が知ってる藤ヶ谷じゃなかった
手は震えていて自信なさげに瞳も揺れていた
藤「…時間っ…、大丈夫…？」
北「え、ああ…」
大丈夫じゃないけど
でも俺はやっぱり藤ヶ谷といたい…
北「……会えて…嬉しい」
藤「…時間…」
抱きしめたのは藤ヶ谷なのに
時間ばかり気にするからムッとしたけど
藤ヶ谷の手は震えているくせに俺の手を離さない
そんなの見たら愛しいと、思ってしまう
北「藤ヶ谷…」
藤「…」
北「ゆっくりでも少しでも、俺と…」
俺と関係を進めたかったら…
北「…」
藤「…？」
俺の気持ちに同じ気持ちを返すどころか
藤ヶ谷は愛されること自体
苦痛に感じてしまうのではないだろうか
そう頭によぎって俺は言葉を詰まらせた
北「……うう」
なんて言っていいのか分からなくて
俯いて縋るように藤ヶ谷に抱きついた
幸い、客は俺らだけ
マスターと玉は気を使ってくれたのか
カウンターにはいなかった
北「…好きっ」
藤「…」
北「好きだよ…っ」
藤ヶ谷を傷付けたくなくて必死に考えたけど
もう藤ヶ谷と目が合えば
好き、という単純で鋭い言葉が溢れてしまう
北「……好きでいていい？」
涙が溢れて絞り出した言葉はカッコ悪いかな
藤ヶ谷はもう1度ぎゅっと抱きしめてくれた
藤「俺は好きを知らないから怖いんだ…どういう気持ちを向けられているのかも分からない」
北「…」
藤「けど、北山を抱きしめていたいと思う気持ちが
北山が俺に向けてくれてる気持ちと一緒なら、
すごく、すごく嬉しい…かも」
真面目で気難しい言葉も君らしい
藤「…違う？」
北「違わない」
笑う藤ヶ谷の声は優しく
甘く、ほろ苦い
藤「また傷付けるかも…」
まだ不安がる藤ヶ谷
おかしくて愛しくて堪らなかった
北「それでも側にいたいんだよ」
end
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未来(プロフ) - ﾂﾝﾃﾞﾚ藤北の､29Pと30Pが抜けているような気がするんですけど､私の気のせいだったら､ｺﾞﾒﾝﾅｻｲm(._.)m (2017年11月28日 0時) (携帯から) (
レス) id: 546aa22f8e (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 初めてコメントします。初めから読ませて頂いてました。もうもうやっと二人がぎゅーっとなって嬉しいです！不器用なふたりぎやっと！って感情のままに書いてしまいましたすみません。これからも影ながら応援してます。素敵な二人をありがとうございます。 (2017年11月27日 23時) (レス) id: ac7391eab1 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - ひらりさん» うきゃー、ありがとうございます！！嬉しすぎて…本当にありがとうございます。もっと更新出来るよう頑張りますね！ありがとうございます(≧∀≦) (2017年3月6日 8時) (レス) id: b58d4f2cac (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - 移行、おめでとうございます！ 前作から拝見させていただいていました…！ 私、ありさんのお話本当に大好きで、いつも更新楽しみにしているんです(#^^#)。北藤めちゃくちゃ可愛かったです…(#^.^#)。癒されました♪ (2017年3月4日 21時) (レス) id: 25c128019f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あり
| 作成日時：2017年3月3日 12時
