I'm in love. (ページ40)

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40P You side ページ40

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マグカップを洗って
でも落ち着けないから散歩に出ることにした

「寒っ……」

まだ昼は暖かいのに夜の風は冷たくて
耐えてたわけじゃないのに

寒さに気付いた途端、涙が溢れた

ピコンッ

「……」

ケータイが鳴り、確認すると
幼なじみからメールを受信していた

「……もしもし、蓮くん？」

目『もしもし、どうした？』

唯一小さい頃から落ち着ける存在の目黒蓮くん
私が上京してからあまり会えてないし
久しぶりに声が聞きたくなって電話をかけた

「今大丈夫？」

目『大丈夫、Aからの電話なら』

「ありがとう。」

目『寝付けなかったしね』

「やっぱり病院はしんどい？」

目『少しは慣れてきたよ』

蓮くんは検査と治療のために入院して１週間がたった
重い病気ではなく、もう程なく退院出来るみたいだけど

目『で？何で泣いてるの？』

「泣いてないよ？別に何もない」

目『俺に隠せると思う？』

「まぁ県が違うし」

目『物理的にね。いや今からタクシー乗ろうか？』

「えーふはっ、大人しく入院してて」

唯一落ち着いて側にいれる理由はある

小さい頃からそばで優しくしてくれて
家族よりも家族らしく育ったから

蓮くんは私の秘密を全部知ってる

私がこのコンテストに出ることになったのも
佐藤編集長と一緒に、もっと表に出るべきだって
背中を押してくれたからだ

だけど、そんな才能私にはないよ……

「……やっぱり出なきゃ良かったかも…」

目『A……』

「ごめん折角背中押してくれたのに」

目『それはいーけど…何、あの人にバレた？会った？』

「……」

あの人ってのは絶縁した私の母で
大御所女優の金森明枝

私の汚点だ

でも多分、涙が出るほど悲しいのは
森本さんに振られたから

ごめんって応えれないってことでしょう？

「……バレたというか…知ってるかもしれない人がいた…」

もう逃げ出したい。
あの人からも、森本さんからも。

そう考えながら電話で会話もして

気付かなかった

目『…どこまで？』

「私が……コンペで書籍化出来たのはあの人のコネだって」

目『いやそれはっ…』

「何の話ですか」

突然聞こえた外からの声に振り返ると
少し怒ってるような顔の松村さんがいた

「……」

松「コネって、本当ですか？」

「あの……」

目『A？どうした？』

私が望んだんじゃないけど
そんなの通用しないことは分かってて

ただ無力感が私を襲う

影は、あまりにも大きい