37P You side ページ37
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動揺を隠せてなかったのか
森「外さむっ」
私を落ち着かせるため
優しくゆっくり話してくれる森本さん
おかげで手の震えは止まったのに
森「寒くない？大丈夫？」
「うん、ありがとう」
笑顔も全部、悲しくなってしまう
だって森本さんは、作家さん出来れば優勝候補の人と
仲良くなる必要があるんでしょ？
1番の優勝候補の塩見さんには失敗したのかな
あれが本当に森本さんだったかは分からないけど
多分、そうだから……
森「A？」
でも、ありがたいかな…
優勝候補に私をいれてくれて。
私には才能もセンスもないのに。
今までの仕事も全部縁で、
書籍化したのは母親の力だったんだから。
今回も最終審査まで残れたのは運が良かった
もう母親とは縁を切ったといえ
あの人が女優を続ける限り
関わらないように
好きなことを続けるために
表舞台には出ないように
森「Aやっぱ寒い？毛布とってくるよ」
「大丈夫だよ。寒いなら中で話す？」
森「大丈夫！そこ座ろ〜」
こんなに注目される撮影になるとは思わなかった
もうバレててあの人が操ってたりするのかな？
いくら大御所といわれる女優たからって
そこまでは難しいよね
あの時は審査員長がたまたま恋人だったからで…
残る不安からか
少し落ち着いた頭は思考がとまらない
森「……」
「……」
森「……俺の友達がね、大学２年のとき
映画サークルで主演やってさ」
「うん？」
座ってココアを一口飲んだあと、森本さんは
溶けていくマシュマロを見つめながら話しだした
私に身に覚えのある単語が聞こえて
やっと思考は止まった
森「その時初めてAが書いた脚本の映画見たんだよね」
「えっ…」
大学の映画サークルに
脚本を書いたのは1回だけ。
しかもその時って３年近く前で、書籍化する前。
本当に無名の時でその映画も大学外で賞はとっていない
森「俺感動して、完成試写のとき友達に脚本の人紹介して！って」
もしかして森本さんと会ったことあったとか？
…覚えてない……
ひとの顔覚えるの自信あったのに……
「ごめんなさい、覚えてない……」
森「え？あ、大丈夫！会ってないよ。
友達が呼びに行ったら、A断ってすぐ帰ったもん」
「ええっ…もっとごめん……！」
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作者名：あり
| 作成日時：2019年9月14日 2時
