31P You side ページ31
.
他人の日常……って
自分で決めたのに読むってなると
ちょっと恥ずかしいな
「はい、カットです。ありがとうございました」
はぁ〜やっと終わった。
スタッフさんの合図で私に向けられていた機材は
下ろされていき、自分についてたマイクも返した
「ありがとうございました」
森「お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
利用されていたこと、それがまだ
ちょっと悲しくて
インタビューの時間が長く感じたのも
森本さんと目を合わせなきゃいけなかったから
今日はもう寝たい。
どうせ、昨日の約束だってノリだったんだろうし
「じゃぁ、次の方のお呼びしますね」
「森本さん、次はこの紙にある質問を…」
森「はい」
1人になると
紙と睨めっこし始めた森本さん
今日夜まで忙しいのかな……
「！」
早く部屋に戻ればいいのに
気付いたら森本さんを見てたせいで
森本さんが私を見るとすぐに目が合ってしまった
森「A」
「はい」
森「……見てく？」
「え？、あ、うん」
優しい笑顔で私の名前を呼ぶから
切り替わった少し難しい顔での誘いでも
思わず頷いてしまった
「こんばんは」
「あ、こんばんは…」
次の撮影この人なのか
花火のときもいた人だよね
今日はメガネしてないんだ
このままリビングに居たら、また何か言われ……
「撮影終わりましたか？」
「はい」
「私はこれからなんです。
良かったら一緒に受けませんか？」
一緒に……？ってえ？
「いいですね！2人の画も撮りたいです」
驚いて固まっていると急に会話に入ってきて
盛り上がるスタッフさん方
思わず森本さんを見たら
何故か捨てられた大型犬みたいな目してた
困ってるのは私なのに…
「……はい、私は全然大丈夫です」
森「っ……」
なんで辛そうな顔するの……
「良かった、貴方の書く話が気になっててね
常にカメラが部屋にある方の話はとくに」
「……」
作家さん人数多いから全員に1人1台はさすがに難しい
だからカメラは私と塩見さん、大見謝さんだけ
基準は分からないけど、
ちょっとやっぱ感じ悪いなぁもう
「やっぱり佐藤編集長とは特別な関係？」
「な……っ」
何でそんな風にしか見て貰えないの…
そう思うと悔しくて後ろで強く手を握った
森「A、マイク」
「……ありがとう」
結果がないから仕方ないけど
森「……」
「……」
だから何で……
貴方が…悲しそうなの
32P Morimoto side→←30P Morimoto side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あり
| 作成日時：2019年9月14日 2時
