28P Mastumura side ページ28
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種「Aさん、いつでも撮影可能です」
口裏を合わせてから
シェアハウスに戻ってくると
種田さんと他スタッフの方で
カメラのセッティングが行われていた。
「松村さん、大見謝さんが仕事頼みたいそうです」
松「俺ですか？…分かりました」
問題のト書きは撮影が終わってからだ
最悪撮影終わりまでにこの場に入れればいいけど
いくら口裏合わせても
その場に居なきゃ意味がない……
不安に思い樹に視線を送ると
任せとけと言わんばかりの目配せ
……楽しすぎてカメラ忘れてんのかな
種「松村さん」
松「はい」
種「大見謝さんの用が終わったら
撮影の手伝いお願いします」
松「あ、はい。すぐ戻ります」
俺が居なきゃ撮れないわけではないのに
部屋を出ようとドアに手をかけたタイミングで
わざわざ声をかけてくれた
すぐに持ち場に戻ったけど
協力してくれるってこと？
俺が断れない台本を知るのは
オーディションメンバーと監督とスタッフ数人
シェアハウスAの半分が協力者ならやりやすいな
「田中さん、マイクお願いします」
田「はい」
「森本さんはこれらの質問して頂きたくて…」
森「はい」
とりあえず2人が撮影の持ち場を指示されてるのを
確認してからリビングを出た
種田さん、Aさんと仲良さそうだったし
頭いいし協力してくれるなら心強い
コンコン
松「…お疲れ様です。松村です」
大「はいって」
松「失礼します」
大見謝さんの部屋初めて入ったけど
空いてるスペースといえば大見謝さんの座る椅子以外
ドア付近しかないほど資料で埋め尽くされていた
松「…コホッ……」
加えて、部屋に入ると1日締め切っていたのか
タバコの匂いが充満している
原稿に向かったままの大見謝さんの横には
山盛りになっている灰皿
見ただけでまた咳き込んでしまう
大「悪いわね、資料なくしたのよ。
尼崎傘事件の資料探してくれない？」
松「わっかりました……この中にあるんですよね」
大「この部屋の中にはあるわ」
資料の表紙を知らない俺が探すのか、
これは結構時間かかるな
とりあえず足の踏み場もないから
片付けながら探す、か……
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作者名：あり
| 作成日時：2019年9月14日 2時
