11P Your side ページ11
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散歩の帰り道、
コンビニのイートインスペースで
夜なのに動きの激しい道路を眺めていた
ストーリーを考える時にやる
いつものルーティーンだ。
あの人は？
あの子は？
歩き方や視線の先を読み解いて
どうやって生きてきたのか考える
ヒントなしに自分以外の話を書くのは難しいから
「あれ……」
反対側の横断歩道に立っている男性は
お店の中からでも分かるほど
そわそわしながら信号をしっかり見てる
青に変わった瞬間動きたいんだろう
急いでるのかな？
思わず笑ってしまう
森本さんって、分かりやすい。
ウィンッ
「森本さん」
森「あれ、A。何してんの？」
信号が変わった瞬間、
外に出て私から声をかけてみた
その瞬間、森本さんの焦った様子は無くなって
代わりに少し荒い呼吸が見える
もしかしてランニング中だったとか…
邪魔しちゃったかな
森「散歩終わった？」
「うん、帰るところ。森本さんは？」
森「俺も帰るとこ」
優しい笑顔が見れて
声かけて良かった、なんて
一緒に帰ろうとシェアハウスの方に歩き出す
森本さん何か仕事でもあるのかな
さっきの様子だと、早く帰りたいよね
森「まって、歩くの早くない？」
「え…森本さん急いでるように見えたから……」
森「用事終わったから、もう大丈夫だよ」
用事って何だろう、
率直に疑問をもった。
さっきまで明らかに焦ってて
コンビニも寄らず横断歩道から
ただ私に会っただけだよ
森「せっかくだからもう少し話そうよ」
「……うん、いいよ」
何気ない一言に少しの驚き
私を探してた？
迎えに来てくれた？
何の意図があってかな
利益のためであっても良いよ
やっぱり貴方だと思ったから
森「やった」
変わらない微笑みと優しさは
会って間もない私に変化をくれる
「……用事って何だったの？」
森「んー？秘密」
「そっか」
近くにいて、
物語を進めて欲しい
貴方が何を考えているか
教えて欲しい
森「ヒントはね、アイス！」
「ヒントくれるんだ」
森「正解は樹のアイスが溶けちゃうから急いでた！でした〜〜」
「もはや答えくれるんだ。え、急がなくていいの？」
森「もはやシェイクだよね」
「それは大分溶けてるね」
.
貴方はどこで
生きてきましたか
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作者名：あり
| 作成日時：2019年9月14日 2時
