EP 117 ページ19
ーー
私の目にグッと力が入る。
…この島は母が大事にしてきたもの…ッ…
めちゃくちゃにさせるわけにはいかないッ…
あ「私ッ…行ってくるッ…」
ク「待ってくださいッ…ミラッ…」
あ「…ッ…！？」
ク「今の貴方は…Die bacteriaの感染者だということをお忘れですか…？」
…力の入らない体。
あ「…そ、それは…ッ…」
ク「貴方は明日の朝、確実に死にますよ…」
「「…ッ！！？」」
確かに体のキツさは自分が一番わかっているけど、死の感覚は微塵も感じられなかった。
でも明日の朝…私は死ぬ…
それがどれほど恐ろしいか…
あ「明日…死ぬ…？」
ロ「…ミラ…」
胸の鼓動が早まり出した。
ク「これを…」
そう言って、私に差し出したのはこの国の食べ物“妖精の食べ物”だった。
…ッ…？？
ク「人間がDie bacteriaに感染し生き残れる可能性は僅か0.1%…」
あ「……」
ク「しかし、妖精となると話は別です…」
あ「…ッ！」
ロ「…そのウイルスは“人間と動物にしか効かない”…」
ク「ええ。それも昨日お話した通りです…」
昨日4グループに分かれて情報交換をした際、チョッパー達の冬エリアではDie bacteriaのことについて知ることができた。
そこで言っていたクレアの“Die bacteriaは人間と動物にしか通用しない”という言葉…
あれが本当ならば…私は…
ク「そのまま人間でいると、確実に貴方は死にます…」
あ「…妖精に戻る必要が…あるってこと…？」
ク「貴方は王族の血を引くもの…人間の顔を持ち、妖精の顔も持つ…異才なお方です…」
あ「……どうすれば妖精の姿に戻れるの…？」
ク「それを一口…口に入れるだけです…」
先ほど渡された一つの果実。
妖精の国の果実だ。
ク「貴方は長い間妖精の国を離れすぎた…妖精の姿への戻り方を忘れてしまい、そして今まで人間の姿でのみ生活してきた…」
あ「・・・」
ク「妖精の国の食物を口にすれば…きっと本来の姿を呼び起こすことができるはずです…」
…長い間人間の食べ物ばかり口にしてきた私。
人間と妖精の二つの顔を併せ持つ一族。
今、消えかけていたもう一つの姿が蘇ろうとしていた。
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koi(プロフ) - 朱夏さん» ありがとうございます(o^^o) (2019年3月14日 22時) (
レス) id: 9a2a00ca5d (このIDを非表示/違反報告)
朱夏 - おもしろいです！目が離せない！更新頑張ってください！ (2019年3月14日 17時) (レス) id: aef72d6a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：koi | 作成日時：2019年3月6日 20時
