涼風譚 拾参

気崩し ページ7

｢は？｣

『浩二さん？』

不思議そうに声をかけてくるA。

その服装は長めのシャツワンピース。しかし...

「なんでそんなに胸元開いてるの。」

下は足が隠れているものの上はボタンが3.4個外れている。

『今日暖かいしお外出られないからいいかなぁ...って』

おっとりしているAらしい回答。

「パーカとかだって着ないじゃない。」

『パーカとか丸首とかのかっちりしてないのはあんまり落ち着かなくて...』

親しい友人や後輩の服装を思い出しながら話しているであろうA。

｢下は...ミニとかジーンズ履かないしねぇ。髪もショートはないよね。まあ痕付けやすいけど｣

『下も髪型も落ち着かないので！痕はダメです！』

「嫌なの？マーキング。」

『だからその髪やめてくださいってばぁ...』

弱い表情でAに迫る。

「ダメ？」

『ダメじゃ、ないです...』

「じゃあいいよね。出さないし誰にも見せないし。」

そのまま抱きしめたAの胸元に顔を寄せる。

『んっ...誰にも見せないんだからいいじゃないですか...！』

「ダメ。僕だけが知ってればいいの。それにAもミニは履かないジーンズ履かない生足出さないショートにしないボタンで止めないタイプのトップス着ない。でしょ？」

『そうですけど...！こんなに...』

首元と胸元に沢山ついた痕。

「不満なの？ならもっと付けるけど」

『不満じゃないです...！これも、浩二さんの愛ですから』

「うん、それでいいの。僕のなんだから。」

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