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自己紹介をしたものの、特に話題もなくて、沈黙が続く中、おとなりさんのとこには、お母さんと弟2人がやって来て、ガヤガヤと賑やかになった
「あらっ。可愛らしいお隣さんやねぇ」
お母さんは、お喋り好きなようで
「この子、部活でバスケットやってんねんけどな？張り切りすぎて、骨 折ってん」
“アホやろ〜？”って大笑いするお母さんにつられて、弟達にも“兄ちゃん アホや〜”と口々に言われ続け
「もぉ、やめてぇや〜」
真っ赤になって3人を止める、おとなりさん
家族仲睦まじい様子を、たたボーッと見つめるだけだった
「ほな、またね」
私は知ってるから
賑やかであったら あった程、その後の静けさは、寂しくて 辛くて 不安になる
こんな時、話し相手にでもなってあげれば良かったのかも知れないけれど、あいにくその頃の私には、そんな気遣いも配慮も出来なくて、黙々と晩御飯を食べて、消灯時間を迎えた
「じゃあ、ちゃんと寝なさいよー」
いつものように、看護師さんが見回りに来て、病室内は廊下の灯りが僅かに差し込むだけで、ほぼ真っ暗
何度も隣から、ゴソゴソと音が聞こえて、暫くするとパチッという音と共に、カーテンの向こう側が明るくなった
「なぁ…Aちゃん、起きとる？」
不安そうな控えめな声
あぁ、この人 入院初めてなんだなって、すぐわかった
はぁ…ってため息の後、“寝てるんか…”って、小さな声が聞こえたから
「……起きてる」
そう答えた
「あっ…のさぁ？Aちゃんは、眠れへん時とか、どないしてるん？」
今度は、凄い早口で一気にまくし立てられて
「………本」
「本？」
「本、読んだら 眠くなる」
「そっかぁ。でも俺、本なんて持ってへんしなぁ」
仕方がないな
私が持ってる本の中で、一番難しそうな本を手に持ち、ベッドを降りた
「入っていい？」
「ど〜ぞ」
「はい……」
「これ、貸してくれるん？」
「………うん」
「ありがとう。……わっ、これ字ばっかやな」
「“本”だから。明日 返して」
自分のベッドに戻って、おとなりさんに背を向け目を閉じれば、ものの数分で聞こえてきた、規則正しい息づかい
私もそうだった
初めての夜は怖くって、お母さんが添い寝してくれて、絵本読んでくれたっけ……
いつしか絵本がなくても眠れるようになった
それだけ私は、ここに長くいる
今日だけは、昔のことを思い出し、あったかい気持ちのまま眠りについた
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倉安LOVE - もちろんです。次回の新作も楽しみに待っています。これから寒くなってくるので体調には気をつけてくださいね。 (2018年11月19日 0時) (
レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 倉安LOVEさん» 倉安LOVEさん、初めまして。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。これからもお付き合いいただけたら嬉しいです(*^ω^*) (2018年11月15日 22時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - 初めまして最初から読んでいました。どのお話も感動しました。最後のヤスくんのお話では二人が付き合えてよかったと思いました。次の新作も楽しみに待っています。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - れなさん» れなさん、初めまして。コメント ありがとうございます^ ^毎回、楽しみにして下さっていたとの事。嬉しい限りです（≧∇≦）次回作、自己満発揮作品になるかと思いますが、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2017年10月26日 12時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 初めまして！完結お疲れ様でした！この短編集いつも楽しく読ませてもらってました！新作楽しみです！頑張ってください！ (2017年10月25日 22時) (レス) id: b5ce47fc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちか
| 作成日時：2017年9月14日 0時
