・□□ ページ27
「じゃあ、また明日」
そそくさと、教室を出て行こうとする安田くんを
「まっ…待ってっ！」
と、呼び止めた
「安田くんって、電車通学？」
「おん。そぉやけど」
「じゃあ、一緒に帰ろ？」
「……へっ？」
「鍵、返してくるから、下駄箱で待ってて」
「やっ、あのっ…」
この学校で初めてだった
あの作家さんの本を持ってる人に出会ったの
もう少し、話をしてみたい
そう 思った
「ごめんね、おまたせ」
「いや、大丈夫」
駅までの15分の道のり
「安田くんは、どんな本が好きなの？」
「う〜ん。特にこれってジャンルはないよ？ミステリーもノンフィクションも、恋愛ものも…」
「恋愛もの？」
「おかしい？」
「んーん、何か わかる」
「なんで？」
「感情移入しちゃって、泣いてそう…」
「まぁ…たまには……」
「やっぱり〜」
「そう言う小池さんも、そうなんちゃうん？」
「ハハッ、バレた」
安田くんって、こんなに喋る人なんだ……って
また 驚いた
「そういえば、安田くんって錦戸くんと大倉くんと仲良いんだね」
「…うん。気に なる？」
「えっ？」
「他の子らにも、何人か聞かれたから」
「あ〜…羨ましいなって」
「羨ましい？」
「うん。安田くん あの二人といる時、凄く楽しそうだから」
「そう、かなぁ？亮と大倉は、僕が越してきた時、駅で初めて声 かけてくれてん。クラスはちゃうけど、いっつも一緒におる“親友”かな？」
「“親友”かぁ〜。いいなぁ」
「小池さんも、友達いっばいおるやんか」
「でも、親友なんて呼べる子、この学校にはいないもん」
毎日ここの生活に慣れようと必死で、みんなと共通の話題探して、自分の好きな本の話できる人なんていなかった
この学校に来て、“楽しい”って心から思えたのは、今日が初めてだった
あっという間の15分
「私、あっちだ」
「僕は、こっち」
じゃあと別れようとした時、ふと思い出した
「安田くん、これ読んだことある？」
「これは、ないかな？」
「よかったら、これ…」
「ええの？」
「うん」
「ほしたら、お言葉に甘えて」
安田くんのブルーのブックカバーに収まる、私の本
「じゃあ、また明日」
「うん、バイバイっ」
そう手を振る安田くんに
「バイバイっ」
と手を振り返した
借りた本に自分のブックカバーをかけて、ページをめくれば、思い出すのは彼の笑顔
「ふふっ…」
何故だか私も、笑顔になった
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倉安LOVE - もちろんです。次回の新作も楽しみに待っています。これから寒くなってくるので体調には気をつけてくださいね。 (2018年11月19日 0時) (
レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 倉安LOVEさん» 倉安LOVEさん、初めまして。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。これからもお付き合いいただけたら嬉しいです(*^ω^*) (2018年11月15日 22時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - 初めまして最初から読んでいました。どのお話も感動しました。最後のヤスくんのお話では二人が付き合えてよかったと思いました。次の新作も楽しみに待っています。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - れなさん» れなさん、初めまして。コメント ありがとうございます^ ^毎回、楽しみにして下さっていたとの事。嬉しい限りです（≧∇≦）次回作、自己満発揮作品になるかと思いますが、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2017年10月26日 12時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 初めまして！完結お疲れ様でした！この短編集いつも楽しく読ませてもらってました！新作楽しみです！頑張ってください！ (2017年10月25日 22時) (レス) id: b5ce47fc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちか
| 作成日時：2017年9月14日 0時
