赤い星2 妖怪学園Y 〜N遭〜

深夜 ページ13

A side


『！！』

バッと飛び起きると、そこは自分の部屋。

真っ暗な中、時間が知りたくて目覚まし時計を探す。

針は午前2時を指していた。

まただ。

またこの夢。

最近こんな夢ばかりを見る。

昔のこと。

夢なのに、痛みがある気がする。

思い出したくもない過去が、ずっと頭の中でもちらついている。

私は無意識に左腕に目をやった。

治りかけだったのに、開いてしまった傷口。

つけた自分が悪い。

また自己嫌悪に走る。


眠れないと分かっていたので、部屋から出て真っ暗な寮の中を静かに歩く。

少ししたところで、月が綺麗に見える窓の前で立ち止まり、窓枠に肘を置いて月を観察した。

真っ黒なキャンバスの中で、白い光を放ちながら浮かぶ真ん丸な月。

見ていると、心なしか気持ちが癒されていく気がした。

『ねえ、月。
なんで私は、こんな自分に生まれてこの世に存在してるんだ？』

返事なんて絶対返ってくるはずないのに、遠い月に小声で話しかけてしまう。

『…もっと、もっと普通でいたかった。』

相変わらず何も言わない月を見つめてから、独り呟いた。

『…今さらこんなこと言っても意味無いか』





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「A？」

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