赤い星2 妖怪学園Y 〜N遭〜

自覚 ページ9

A side



その日の夜。

ベッドに倒れ込み、一人思考を巡らせていた。

なんで。

どうして。

こんなに気持ちがざわつくの。

なんでだろう。







「ジンペイくん、か」

『うわああっ！！！！』

一人のはずの部屋から他人の声がして驚き、文字通り飛び起きる。

ベッドの傍に立っていたのは白納。

『もおおおびっくりさせんな…。
しっかり扉ノックしてほしい…』

「すまんすまん。
にしても、Aが恋をするとはのう」

『は？』

ニヤニヤしていた白納は目を丸くした。

「もしや、自覚無しか？」

『は？』

私が？

恋？

誰に？



真っ先に思い浮かぶのは赤髪の彼だった。







え。



ものすごいスピードで顔に熱が集まる。

顔を隠して白納に言う。

『別に、そんなんじゃ、』

「ほっほっほ。
嘘は良くないのう」

起き上がり、ベッドの縁に腰掛けた白納の横に座り直した。

『…恋、なのか？』

「恋か否かは、自分自身が決めるものじゃ」

『…』

黙り込む私を見かねて、白納が言った。

「そうじゃのう。
ではもし、彼に別の恋人ができたら、Aはどうする？」

『別の恋人？
どうって言われても…』

「素直におめでとうと言えるかの？」

『…』

考えてみた。

ジンペイに、もし別の彼女とか…それこそエマさんとか…ができたら、きっと私は…









『…言えない、かもしれない』

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