心優しい怨霊 ページ33
白納は私を手洗い場に連れて行き、血をきれいに洗い流してくれた。
水が入らないように、素早く、傷口を下にして。
タオルで水分を取って、そこに包帯を巻いてくれた。
『…それ、どこから取ってきたんだよ…』
「ん?
怨霊じゃからの。
何でもできるぞい♪」
さっきと同じように応えるので、思わず吹き出した。
そして、白納は私を抱きしめた。
「…私はいつでも、お主の味方じゃよ。
お主を一番大切に思っておる」
その言葉が、単純に嬉しかった。
親にも言われたことのない言葉をくれた怨霊が、やっぱり私は大好きだ。
それから、今日あった事を聞いて貰った。
白納は優しく微笑み、言った。
「すれ違い、じゃの♪
きっとあの坊やは、この間怪我をしてしまったお主に、無理をさせたくなかったんじゃろ。
決して、お主の事を邪魔だとは思ってはおらんよ」
『…そうなのか?』
「そうじゃ♪
お主の事が、人一倍大切だということじゃ」
『私の事が、人一倍大切…』
「うむ、だから心配せんでもよい。
素直に、ありがとう、と言うのじゃ」
『……分かった。
ありがとう、白納』
「礼を言われるまでもないぞい。
私が好きでやってるんじゃ♪」
また何かあれば、いつでも話を聞くぞい。
そう言って、白納は帰っていった。
そうか、良かった。
私の、勘違いだったのか。
不意に眠気が襲ってくる。
時計を見ると、夜中の二時。
ベッドに横になると、秒で瞼が落ちた。
さっきより気持ちが軽い。
心なしか、気分も楽だ。
『ジンペイ、ごめんな。
私、勘違いしてたぞ…』
無意識に出た台詞と共に、私の意識も眠りの中に持っていかれた。
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桜夜 - 饅頭さん» またジンエマダメな人いてくれた…!!じんぺが好きすぎる私がおかしいのかと思った…ww (2020年2月13日 8時) (レス) id: e216db5bf3 (このIDを非表示/違反報告)
饅頭(プロフ) - ジンエマ地雷持ちだったから大丈夫かと思っていたら… 意外と大丈夫でした(^p^) でもやっぱりジンエマはダメでした (^p^) (2020年2月12日 18時) (レス) id: bb1145914b (このIDを非表示/違反報告)
彼雨(プロフ) - なんと!?残念… (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1d3d5b016f (このIDを非表示/違反報告)
桜夜 - 彼雨さん» 残念ながらまだ五話は上がっておりません…(泣) (2020年2月2日 18時) (レス) id: e216db5bf3 (このIDを非表示/違反報告)
彼雨(プロフ) - YouTubeなら多分見れると思います (2020年2月2日 13時) (レス) id: 1d3d5b016f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜夜 | 作成日時:2020年1月27日 0時