Can't Say Goodbye【1】

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千紗side



そのまま樹くんは駅まで送ってくれた


改札を前にして、自然と手が離れる





『送ってくれてありがとう』


樹｢どういたしまして｣


『…明日は、仕事？』


樹｢ううん、けど事務所で打ち合わせ｣


『そっか…頑張ってね』


樹｢うん。


……今日のこと、2人だけの秘密な｣



『…うん』



樹｢……じゃ、｣





わたしは小さく手を振って、改札を通る


ふと後ろを見ると、樹くんは来た道を戻ってた



きっと、同じ方面なんて嘘なんだろう







なんで、あんなこと言ったり、こんなことしたりしてくれるんだろう



早く、｢そういうつもりじゃない｣って言ってくれないと、勘違いしちゃう









けど…このまま進むと、大切なものを無くす気がする



それが、ずっと自分の中で引っかかってる


友達でも、仕事でもなくて、もっともっと大切なもの




でもそれがなんなのか分からない





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