Can't Say Goodbye【1】

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壱馬side





『さっきスタッフさんに初めに壱馬くん1人で撮るって言われたから壱馬くん、先にいい？』


壱馬｢おう、よろしく｣


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『あの…』



促されて鏡の前に座ると、千紗ちゃんが小声で話しかけてきた


壱馬｢ん？｣







『北人くんって、遠距離恋愛してるの？』





壱馬｢は？！！？！｣




思わず大声が出た


後ろにいる北人と鏡越しに目が合う




『ご、ごめん！聞いたらダメだったかな』


壱馬｢い、いや、ダメって言うか……なんで？｣


『……実は、さっきドアの前で立ってたら2人が話してるの聞こえてきちゃって…』



申し訳なさそうに言う千紗ちゃん


まじか、聞かれてたのか…




けど、なんで遠距離？





壱馬｢…どっから聞いてた？｣


『バスケの試合で北人くんが骨折して、のあたりから』





……そうか、そこから千紗ちゃんの名前は出してないし

俺が《早く思い出話できたらいいな》って言ったから遠距離だと思ったのか




壱馬｢北人は……遠距離っちゃ遠距離かな

…片想いだけど｣


『そうなんだ！あの北人くんに想われる女の子ってことはすごい可愛いんだろうなぁ笑  …あ、盗み聞きみたいなことしちゃってごめんね』



壱馬｢いや…それは大丈夫｣





……君だよ、って言えたらいいんだろうけど


きっとそれは俺の役目じゃない





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